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今後のオール電化住宅はこのように変わる 「住まいと電化」掲載 2012年8月号
住まいと電化の連載コラム
今後のオール電化住宅はこのように変わる 「住まいと電化」掲載 2012年8月号
オール電化住宅の初期の目的は
悪夢のような3・11震災で発生した福島第一原発事故は、私達のように省エネ目的で電化住宅の構築を行ってきたものにも想定外の影響を与えています。
震災当年3月14日月曜日の計画停電で、その停電の及ぼす影響は、都市環境に想像以上のダメージを与えることを目の当たりに致しました。
そしてその計画停電の要因を作ったのが、東京電力の進めてきた「スイッチキャンペーン」(いわゆるオール電化の普及事業)によって啓蒙されたオール電化住宅が諸悪の根源となっているような論評がマスコミ報道されました。
私は、昭和60年に家屋内の湿度コントロールを可能にするため、水蒸気と燃焼ガスを発生させるガスや石油から電気機器に替えた家づくりを行いました。
また新鮮空気を吸って、燃焼ガスを排気するFF式ストーブは、家の気密、断熱の性能を上げる事で必然的に微小稼働にしなければなりません。このような燃焼機器を微小燃焼させると不完全燃焼状態となり、燃焼効率が低下します。
そのため、暖房機、給湯機、クッキングヒーターの全てを電化機器にすることで換気量を必要最小限に抑えた家づくりを行いました。
これがオール電化住宅の初期であったのでしょう。ある電力関連の文献には、当方のことを「オール電化住宅創設者」の記載もあります。
震災後のオール電化住宅におけるバッシング風潮の矢面にも立っていました。
正しい電化住宅を思考すると
今でも事情を表面でしかとらえない人からは、オール電化住宅が計画停電の根源と云われています。
実際に当方から見てもガスや石油の生火使用よりは、清潔、安全、便利だとする切り口だけで、家の断熱、気密性能などに関係なくオール電化を推奨して来た事実があります。供給側の不勉強も反省点のひとつでしょう。
深夜電力を用いた蓄熱暖房機は、家に断熱、気密性能が伴っていない場合、蓄熱する時間帯以前に放熱し切ってしまい、夜には冷風しか出ないと、寒い暖房機の烙印を押されることもありました。
電気温水器にしても初期当時は360リッター貯湯タンクで断熱材も薄く、夕方のキッチン作業で使い切り、夜の風呂やシャワーの時間帯には水しか出ないなどのクレームが多くありました。
オール電化住宅は、東京電力のスイッチキャンペーンと相まって1990年代に開発されたIH電磁ヒーターの出現で一気に右肩上がりの急成長を見せます。
電化住宅を牽引するIH電磁ヒーターの普及に危機感を持ったガス関連企業が、一斉にIH電磁波の健康被害キャンペーンを行った時期がありました。
IHヒーターのガス並みに高い火力、清潔さ、便利さ、安心さは、健康被害キャンペーンでの不安を払拭し、現在はオール電化でない家にも採用されています。
更に電化住宅が熟成してくると各電力会社は、オール電化と家である断熱、気密性能をセットで行うよう、適切な広報活動も同時に行っています。
必然的にこの十数年来、オール電化住宅の断熱、気密と住宅用電化機器の性能は飛躍的に真価しています。
ヒートポンプ時代に突入
外気から熱を汲み上げてお湯に変えるエコキュートは、僅か10年余りで100万個台にせまる急成長です。ヒーター式機器の3倍以上もの省エネ効果と、常に加温出来ることで湯切れしない仕組みが評価されたものです。
暖房もヒートポンプ方式は、エコキュートと肩を並べるように普及しました。これは3・11震災以前からの兆候ですが、エコ思考がエンドユーザーやサブユーザーにも浸透してきたものと思われます。
これは大震災以降に在りがちなブーム的急成長では決してないようです。
一方では、エアコンやエコキュートは、蓄熱暖房機や温水器のような自己単結型の機器でないため、室内機と室外機の組み合わせが不可欠となります。
特に室外機は、隣家に対する騒音や寒冷地の霜取り排水が凍るなどの課題となっております。
この問題を検証するとその多くは、価格競争の延長線で起きているようです。技術的な問題ではなく、低価格での施工を余儀なくされ、取り付けの際に防震架台や隣家に対する配慮まで及ばなかったもの多く存在します。
後記タイトル
・電気を一日均等に使用する
・ヒートポンプの特性と家の性能とは
・エアコン冷暖房のメカニズム
・スマートグリッドとスマートハウス
・オール電化住宅からエコ電化住宅へと
「住まいと電化」7月号掲載内容です。
続きは書店にてお買い求め下さいませ。
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