木造軸組工法などでがっしりと組み上げることにより、一般住宅と同等以上の強度を発揮します。さらに耐震性能を高めるには、構造計算を行い、構造体の強度を高める必要があります。
ファース工法自体には、耐震性能が高いという公的な根拠はありませんが、「ファースの家」の地震における実績として、ファース工法を開発(平成元年)してから起こった数々の大きな地震でも、住宅そのものに被害はありませんでした。
ファース本部では、2m角の断熱材を吹き付けたボックスで断熱試験を行った後、約7mの高さから落下させる落下試験を行いました。
今回の地震では⼤きな揺れが繰り返し起こり、震源が熊本市内方面から阿蘇方面にかけて⼤きく移動していることが特徴的。⼤きな揺れが繰り返されたことで、熊本県内を中心に歴史的建造物も含め、特に古い建物が倒壊などの被害を受けている。地震後に降⾬が続き、山間部では地震で緩んだ地盤が崩れるなど災害がさらに拡大した。
震度の大きかった時間帯を時系列化したデータでは、より震度の高いエリアに建築されているファースの家 30 棟の大まかな位置をプロットしている。最大震度付近も含め、倒壊、軽微な倒壊を含め大きな被害がないことが確認できた。
※一部抜粋 (上記「個別訪問時の調査報告」よりNO.1、NO.19、NO.24)
阿蘇市内にある阿蘇神社は楼門、拝殿が倒壊した。テレビなどでは阿蘇神社倒壊の映像が多く使われたので、阿蘇地区の損害は甚⼤だと理解していたが、阿蘇神社周辺の住宅はイメージしていたほど⼤きな被害は受けていなかった。
熊本城など古い建物に多くの被害が発生していることから、熊本県内では強い地震が⻑期間起きていなかったことが分かる。
⼤きな揺れがあったエリアでは⽡が落ちる被害が多く発生している。
調査時に確認できた範囲での近隣の状態は、新しい分譲地の新築住宅(ファースの家以外の建物)でも外観的に⼤きな損傷は⾒られなかった。古い家屋に関しては広い範囲で倒壊、半倒壊、⽡の脱落などが発生している。新しい住宅には一定の耐震性能が備わっていると考えられる。ただし、耐震等級2の新築住宅にも倒壊があったという情報もあり、一概に⾔えない。
ファースの家お施主様の協⼒のもと、揺れの酷かった現場を中心に目視による検査を⾏った結果、床下、天井裏など確認できる範囲では、構造体、断熱材などに地震のものと思われる被害は発生していなかった。断熱材にとって強度的に不利となる屋根面でクラックなどが発生していないことから、柱や間柱のある壁内などでのクラック発生の可能性は極めて低いと考えられる。
今後の課題として、同程度の震度でも、家具の転倒、クロスのよれなどの軽微な被害に格差(被害が全くない物件とある物件が混在している)があり、揺れ方の違いによるものなのか、他の原因によるものなのか検証が必要。
他に、ファースの家に限ったことではないが⻑期的に停電した場合、トイレが流せないことに一番困ったとの話があった。便器の種類により停電時でも流せるものもあるが、特殊な操作が必要になることから、施⼯⼯務店は提案時から意識しておく必要性を感じる。さらに、調理が一切できなくなるので、カセットコンロを常備することも必要。
ファースの家を調査した結果として、今後同程度の地震が複数回発生したとしても、地盤面に問題がない限り倒壊など⼤きな被害に発展する可能性は低いと感じた。