高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

お知らせ

2010.03.10

北海道新聞 「朝の食卓」 2010.03.10掲載

「キャリアウーマン」 福地脩悦

私たちが家を建築する際、公的な標準仕様以外の手法を採用する場合は、公的機関の工法認定を受けなければ省エネ特典なども受けられません。
関係機関には、認定申請を受けるため訪れた際の担当官は、きれいな女性でした。
ところがその女性担当官から、技術構成の説明資料があいまいだと厳しい指摘を受ける事になります。
なぜこの技術が標準仕様の性能を上回り、更には安価に施工出来るのかと、徹底した技術チェックでした。
書式変更などを行い、受理されたのが役所の就業時間をかなり過ぎてからでした。
宿泊先に戻ろうと電車に乗り、発車のベルが鳴ってドアが閉まるギリギリのところに、息を切らして乗り込んで来たのがあの女性担当官です。
たまたま空いていた私の隣の席に座り、目が合った瞬間、彼女のひざの上のカバンから書類と、幼い子供用の赤い手袋と毛糸の帽子が床に散乱してしまいました。
書類を拾うのを手伝って座り直した際に彼女は、伏し目がちに「子供を迎えに行くのです」。
仕事に厳しいキャリアウーマンに、母親の優しさを見た気がしました。
ちなみにその時の工法申請は、申請書通りに認定交付されました。