高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

お知らせ

2010.11.25

北海道新聞 「朝の食卓」 2010.11.20掲載

「ママの泣き笑い」 福地脩悦

 「お久しぶり!」。訪れるたびに取引先の住宅資材販売店の奥さんは、いつも元気な声で迎えてくれます。
 この家には、障害を持つ12歳の男の子がおり、早朝から深夜までその子の世話、営業や事務、そして家事をこなしています。
 ところが先日、元気がありません。尋ねたら、知り合いから「頑張って」と言われたのだと。これ以上どう頑張れと言うのか。
彼のために自分の時間がとられ心身ともにもう限界・・・。
 「頑張って」が腹立たしくなり、思わず憎まれ口をたたき、心が折れて涙があふれ出てしまったといいます。
 それを聞いていた、車いすの男の子はいつもの無邪気さが消えうせ、しょんぼりとうなだれていました。元気で明るいママが落ち込んでいたからでしょうか。
 私は家事調停委員をしていて、その研修資料にあった「障害児を持つ家庭は平和な家族が多い」という統計を教えてあげました。障害児がいることで家族が協力し合い、自然に心が通じ合い、家庭が平和になる。
 彼女は、自由がきかない彼のため、努めて明るく元気に振る舞い、それが彼女の持ち味となり、店も繁盛させています。彼女は自分自身が息子の存在によって得られていることに気付いたようです。
その後の彼女の元気さ明るさは以前にも増しているように見えました。