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開口部(サッシ)の持つべき機能とは 日本住宅新聞寄稿記事から
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2015.12.15
開口部(サッシ)の持つべき機能とは 日本住宅新聞寄稿記事から
窓などの開口部は、ガラス面積が大半をしめております。
開口部の重要な役割であるガラスは、景観を良くするために透明性の高さが求められます。
また、意匠的や部分的な採光を促すために使用する嵌め殺し(フィックス)以外は、人の出入りや、通気を良くするための開口機能も備わっていなければなりません。
一般的な引き違いサッシの他にも、片引き、片嵌め殺しなどがあります。
引き違いサッシは、使用頻度で水密性、気密性が劣化し易いなど気密性能に課題があります。
押し出しサッシは、ドアタイプで気密性能が高いのですが、人の出入りのし難さなどに課題があります。また内側や外側に回転する窓種も多くなりましたが、意匠や掃除のし易さなどの取扱いなどに応じた選択を行います。
一方で割れ易いガラスを用いるために防犯上の対策としては、補強シールをバインドした、防犯ガラスなどを用い、サッシに頑丈な止め金具を取り付ける方法があります。
ガラスの断熱特性
窓に使用するガラス素材は、熱伝導率が高いため熱を逃がし易いのです。
断熱性能を高めるためには、複層(ペアやトリプル)ガラスを用いる窓種もあります。
複層ガラス内部に金属粒子を付着させたLow-E(ローイと言う)ガラスが多くなりました。
このLow-E複層ガラスは、透明性を確保することが要点です。
Low-E機能の金属粒子の種類は、遮熱タイプ、熱吸収タイプなど、多くの種類があります。
温暖地では、採光窓の大半が東西面にある場合、遮熱タイプのLow-Eガラスを採用することで冷房エネルギーの軽減に寄与します。
Low-E複層ガラスには、乾燥空気を封入していましたが、比重が高く対流し難いアルゴンガスや、更に熱の伝え難いクリプトンガスを入れて断熱効果を高めたモノもあります。
寒冷地では今や断熱に特化したLow-E複層ガラスの採用は、既に標準化しつつあります。
筆者は、遮熱と断熱を使い分けして、冷暖房双方のエネルギー削減を実践しています。
サッシ枠の種類
サッシの大半はガラスで構成されていますが、そのガラスを抱えているのがサッシ枠です。
サッシ枠は、昔の木製建具からアルミサッシと変わり、熱の伝え易いアルミの内側にプラスチック樹脂を使用した複合サッシ、更にはプラスチック樹脂(中空内部に金属金物補強あり)サッシも多く採用されるようになりました。
家全体から逃げ出す熱では、窓などの開口部が大きな割合を占めている事とサッシ枠への結露防止にと今やアルミサッシから、複合サッシそして樹脂サッシへと変貌しています。
窓に高額な費用を投入して機能を持たせても外観では判別できませんが、クオリティーの高い冷暖房空間が構築出来て、投入資金は光熱費で10年未満の回収できる場合もあります。
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