高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2007.12.03

度重なる雨漏り。工務店が廃業

質問者/埼玉県川口市・UIさん

築10年、木造3階建ての外壁ALCの注文住宅なのですが、築2年程度で3階東側出窓付近より床に水が溜まるほどの雨漏りがあり、早速、工務店に連絡し補修してもらい、雨漏りは無くなりましたが、それから3年後くらいに今度は3階西側の天井より雨漏りが発生。再度、工務店へ連絡し一旦雨漏りは止まったのですが、半年後くらいに同じ場所よりまたまた雨漏りしため、工務店へ連絡し屋根の全面防水をしてもらいました。ところが、半年前に3階南東部分コーナーより雨漏りし、工務店の判断で屋根の上からではなく外壁のコーキングが割れているためとのことで、応急処置するが、つい先日の大雨により同じ箇所から再度雨漏り。早速、工務店へ連絡し社長に伝えたところ、「すでに会社は辞め、現在はサラリーマンであり、保証期間もとっくに過ぎているし、すでに外壁はメンテナンスをする時期にきていますから修理はできませんし、一切の責任も義務もありません」との対応をされ、どうしても納得ができません。
みなさん、どうぞ貴重なご意見を聞かせてください。法的手続きなども検討する必要がありますでしょうか?
平成12年4月以降に建築された住宅は、雨漏りと構造体に竣工までの期間、その設計や施工に瑕疵(トラブルの要因)があった場合、瑕疵担保責任(雨漏りに対して10年間、責任を全うすることを義務化)という法律が適用されるようになりました。本件のように、それ以前の案件に対しての雨漏りトラブルについては、販売業者(施工者)の誠意に委ねるしかありませんでした。泣き寝入りするユーザーさんが多くあり、このような法律が制定されました。
販売業者は引渡し後の雨漏りトラブルに対して、責任を負うためには、期間を限定した保証保険などをかけて対応する業者もおりました。多くの保険は、施工業者が倒産などで消滅しても適用されるものがほとんどでした。本件はその保険もかけていなっかたものと思われます。ALCの場合、構造上、その外壁の下に通気層ができませんのでコーキングが切れれば雨漏りになる場合が多くあります。また、コーキングも本件のように竣工後3年後にトラブルがあった場合、コーキングのメーカーや防水業者の責任を問うことがほとんどできないのが実情です。
本件は、それでも工務店が存在している時点で、何回かの対応されたようですが、中には全く対応しない業者さんも多くおります。今日に至っては法的な措置をとっても解決できる見込みは非常に少ないと思われます。たいへん残念ですが、施工業者の責任を追い求めるエネルギーを、施工費用を負担する覚悟で雨漏りのしないような完全補修を行うことに費やしたほうが賢明と思われます。