構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2014.09.26
冬の寒さについて
質問者/長野県・NSさん(会社員・48歳・男)
二つ相談します。いずれも冬の寒さの件です。
寒冷地に3年ほど前一軒家をたてました。床面積50坪位で、高気密・高断熱です。
・困っていること1/冷気について
吹き抜けを付けました。しかも、家の2ケ所に吹き抜けがあり、上の空間と下の空間(廊下)で、空気が回るようになっています。冬、リビングにいると、北側の冷気が伝わってきて吹き抜けの上の方から、降りてきます。寒くてリビングにいられません…ホントなんです。
・困っていること2/床暖房について
前の話と関連しますが、暖房は床暖房だけです。作る時は床暖房で暖かいと思っていた…。ところが、寒い。床だけは暖かく(熱い)上体は寒い。床暖の温度を上げても家は暖かくならない。足だけが暑くなる。乾燥もものすごく前の家(古い日本式家)に比べ皆風邪をひく。高気密なので、石油ファンヒータもだめ。まったく、不健康な家になってしまいました。
何かよい解決策ないでしょうか?
結論から言って、質問者の家は高気密住宅ではありません。確実な性能を持った「高」の付く気密住宅でそのような状態にはなりません。家の暖かさを保持するには、断熱材の厚さより、気密性能が重要です。何を規準に「高」気密なのか、その規準が定められておらず、業者の感覚で「高」気密住宅と銘打っているだけと思われます。このような吹き抜けのある住宅の抜本的な解決法としては、隙間を完全に埋めて換気扇を回したら、玄関のドアが明け難くなる位の気密性能が求められます。しかし、かなり大規模な改修工事になります。
簡易的な解決法としては、正確な家のQ値(熱損失係数)を調査して、そのQ値に見合う暖房機容量が必要です。現在の床暖房だけで家全体の暖房を賄うのに熱量が不足していると思われます。床暖房は隙間の多い住宅に向いておりますので、床暖房以外の暖房機で不足分の暖房容量を確保すべきでしょう。
Q値を計算するには、床、壁、天井に使用した断熱材の種類と厚さ、さらに気密対策をどのように行なわれたか、また使用した窓の種類と大きさと数、さらに気密シートを張り込んだ内部の容積が解かれば計算が出来ます。
施工業者が高気密、高断熱と言うのであればその根拠を示して戴き、上記の正確なQ値計算書の提出を求めるべきです。そのQ値によって暖房容量を算定すべきです。