構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2014.11.17
窓の結露・凍結・隙間風…
質問者/青森県・匿名さん
築8年の従来工法の一戸建てに住んでいます。2階建て100坪で1階には30坪ほどの車庫があります。断熱材は天井・1階床下・外壁に面した壁にグラスウール100ミリ10キロが入っています。
入居後、2度目の冬から西側出窓の両端から常に水が出てきます。青森に住んでいますが、寒い日には、2重サッシの内窓が凍り、常に出ている水も氷が張ります。その場所から水が出るのは冬場だけですが、ひと冬に2~3度コップ1杯分くらいの水が溢れ出し、窓台から床にまでこぼれ落ちます。もちろん、結露もすごいです。また、サッシからの隙間風もあり、遮光性のカーテンが揺れるほどです。工務店さんは結露なのでしょうがないというのですが、窓台(集成材)中央部分にもシミがでてきました。窓台両端の集成材は変色、ひび割れができています。クロスも捲れてカビが発生しています。1室だけでなく、隣の部屋も同じです。昨年、2重サッシの内窓をはずした(夏に)のですが、クロスを剥がした部分に水が伝ったあとがないとのことで、結露が原因だと…。そのとき、結露水が外側に流れるようにと内窓を少し傾けたのですが、全然良くなりません。傾けて隙間ができたせいか、窓台の縁全体にぬれるようになりました。また、北側階段途中にあるペアガラスの結露がすごく、寒い日には氷が張り、何日も溶けません。家全体もとても寒いです。FFストーブで暖房していても14畳の2階リビングは暖まらず、隙間風も四方八方から感じます。暖房していない所は床が冷たく、体育館のようです。工務店さんは隙間風のことに関しては、家が広いからとか玄関からの風が入ってくるからしょうがないといいます(ちなみに玄関は0度以下になる日もよくある) 。最近、温湿度計を家中に置いてみました。1階より2階の湿度が高く、常に70%前後です(2階リビングは暖房しているので40~50%)。問題の出窓のある部屋は寝室なのですが、夜には80%もあり、ベットに寝ていますが、敷き布団にカビがはえて今まで何度も買い替えやクリーニングにだしてます。また、2階の他の部屋で寝ている子どもの布団も同様です。子どもは5人中3人が喘息で大変です。
工務店さんは何事もしょうがないで済ませてしまいます。快適に過ごせるような良い方法ないでしょうか(1階リビング・2階リビングのみ暖房していますが、灯油代はかなり高いです)?どのような補修をしたらよいのでしょうか?本当に困っています。また、2階リビング天井クロスには端から(窓部分)5メートル強のひびが入ってます。ほかの部屋にも無数にあります。外壁はモルタルですが、これもひびがたくさんあります。構造上にも問題があるのでしょうか?
ぜひ、回答のほうよろしくお願いします。
快適な湿度をキープすると窓にある程度、結露が生じます。結露が起きていない場合、多くの場合、過乾燥といってハウスダストにフィルス菌など発生しやすく不健康な空間となります。結露が生ずる温度を露点温度といいます。
快適な暖房気温は20℃程度ですが、その時の快適な湿度が50%です。しかし、この快適空間である20℃で50%の時の露点温度が約9℃です。つまり、9℃以下の部分に結露が発生するわけで、青森のような寒冷地では、通常の窓には結露が起きても不思議でありません。
本件の場合、80%の湿度になるようですが、その場合、室内気温より約4℃程度低い部分が露点温度となりますので、青森の冬だったら殆ど全部の窓に結露が生じます。70%の時の露点温度が約6℃低い部分、気温20℃の場合14℃以下の部分に結露が生じます。
施工工務店が「仕方ない」としかいえないのもいささか勉強不足ですが、2重サッシ、グラスウール10キログラム程度の窓と壁の断熱仕様では、家の性能的に致し方のないといえるでしょう。窓をLow-E機能付きのペアー高性能サッシに取り替え、10キログラム・グラスウール断熱を24キログラムか樹脂断熱材に変更することも対策のひとつです。これにはかなりの費用負担が生じますが、施工工務店にその負担を求めることも困難と思われます。
自分でできる対策としては、室内気温20℃の時に、室内湿度を40%くらいまで下げる工夫を行ってください。室内で洗濯物を干したり、熱帯魚、金魚鉢、広葉樹などの湿気を出すものを1ヵ所に移して、その部屋を徹底して換気をいたします。当然、その部屋専用の換気扇を設置することになります。
通常は過乾燥で悩んでいるお宅が多いのですが、上記の対策を行えば室内湿度が驚くように低下して結露を防ぐことになります。湿度計は20℃のところで50%が快適湿度ですが、同じ部屋でも日射熱のあたるところは30%くらいまで増えますし、低音の部分は70%くらいまで上がる場合があります。これは、湿気の量が変らなくとも気温という湿気を抱える器が大きくなったり、小さくなることでその割合が異なってくるからです。
モルタルのひびは本件の結露と関わるものでないと思われます。本件のような断熱仕様ですと、暖房費が相当かかると思われます。このような、温熱環境に関わる問題は住んでから大きく関わってまいります。建築する時には、外観とか、間取りとか、家具、内装ばかりに注目しがちですが、この温熱環境の性能は住んだ後に降りかかってまいります。