工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2014.01.31
蓄熱暖房器の失敗
質問者/栃木県那須郡・OCさん(主 婦・63歳・女)
この8月住宅を新築しました。
夜間電力を使用する蓄熱型暖房器を各部屋に入れ、冬の寒さ対策は万全と思っていました。各部屋の大型のモノは、カタログどおりに稼動し、快適ですが、異なるメーカー製のトイレと洗面所に設置のコンパクト型暖房器は、朝は快適な温度ですが、昼ごろまでに放熱してしまい、夕方には冷たくなってしまいます。熱をコントロールすることができない小型の機種とはいえ、夕方、風呂に入る頃には洗面所(更衣を行う)はすでに寒くなり、風呂場用の暖房としては機能しません。わが家のトイレも洗面所も1畳しかありません。午後遅くから夕方になると暖房効果が失われるような蓄熱式暖房器は考えられず、だまされたような気がしています。少なくとも、パンフレット(カタログ)しには、夜間電力で蓄熱、1畳から3畳用でとのふれこみでした。
その会社に電話しましたが、「放熱をコントロールできない小型のタイプなんだから、仕方がない、一日中暖かいのがほしいなら、大きいのに変えなさい」とのことでした。パンフレットと違うのではと言いましたが、コントロールされない機種は仕方ないとのことでした。もしそうなら、そのことをパンフレットにきちんと書いてほしいものです。洗面所など 必ず夜に使うのにと思うと腹が立って仕方がありません。きちんと調べなかった私たちが悪いのでしょうか? パンフレットにその蓄熱および放熱の効率を明示しないメーカーに大きな責任があると信じています。
蓄熱暖房器は、深夜電力で断熱されたケーシングの中のレンガを650℃の高温に加熱し、その熱をケーシングの表面から放熱することで暖房する仕組みです。
蓄熱暖房器は、主に北欧で自然放熱で暖房する事が前提でつくられたものです。
したがって、蓄熱暖房器を寒い場所に放置しておきますと、数時間で冷たくなってしまいます。
すなわち、蓄熱暖房器の設置場所はそれなりの保熱がなされている事が前提です。
本件においては、蓄熱暖房器メーカーの問題というより、設置した施工者の認識不足こそが要因と思われます。
仰せのとおり、質問者の不満はごもっともで、蓄熱暖房器メーカーもその保熱規準を明確にしていない責任は皆無でありませんが、蓄熱暖房器の特性を知っていると本件のような問題は発生いたしません。
本来の蓄熱暖房器にはファンが付いておりませんでした。蓄熱暖房器にファンが付けられたのは、日本国内に輸入されてから、日本からのニーズによるものと言われています。
本件のように小型の蓄熱暖房器のほとんどは、ファンが付いておらず、自然放熱のみで暖房を行っていますが、それだけに設置場所の断熱・気密の状況が吟味されなければなりません。
蓄熱暖房器メーカーも本件のような苦情に直面して困惑している事と思いますが、本質的にはメーカー責任より、施工設置者の認識不足が招いたのが要因です。
解決方法としては、更衣室の気密・断熱性能を向上させるか、大型蓄熱暖房器の熱がそこまで波及するように、出入り口の改造など工夫を行うべきと思われます。