工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2014.02.03
断熱材の破れについて
質問者/さいたま市・KMさん(主 婦・32歳・女)
軽量鉄骨で新築中です。
先日竣工検査がありましたが、2階天井裏の断熱材(ロックウール25kg・厚さ100mm)を包んでいるビニールの防湿層側が何ヵ所も破れていました。
ハウスメーカーはこれに対して、破れているものは交換し、さらに再施工の際に鉄骨や電気配線などに引っかかってまた破れてしまう可能性もあることから、今敷いてある断熱材の上に同じ断熱材をもう一重敷くという対応策を提示してきました。
しかし、再施工でまた破れてしまった場合、二重にすることで断熱性は保てるのかもしれませんが、破れを放置することによって内部結露は起こらないのか? そこが心配です。
また、壁にはグラスウールの断熱材(10kg・厚さ100mm)が使用され、さらにその室内側壁内に銀色の防湿シートが施工されているのに、なぜ同じように外気に触れる2階天井裏には防湿シートを敷かないのか?
先方は「それが当社の仕様です」と言いますが、外気に触れるという意味では壁も2階天井裏も同じ条件のような気がするので、壁だけ防湿シートがあって天井裏にはないというのは矛盾しているような気がするのですが…。2階天井裏には防湿シートを敷かなくても問題ないものなのでしょうか?
それから、天井裏は鉄骨からの突起がかなり多く、壁と同じような防湿シートを敷いても破れてしまいそうですが、そういった天井用の破れにくい?防湿シートってあるのでしょうか?
もう1点。1階と2階の間に入っているロックウール(20kg・50mm)は吸音材として入っていますが、こちらも施工途中の写真で破れているのを発見しました。しかし、これは外気と触れる部分はなく、断熱材として使用されるものではないという理由で、破れていても問題ないという回答をいただきましたが、この見解は間違ってはいないでしょうか?
本件の質問で、断熱材の破れといいますが、断熱材を包んでいる包装袋が破損しているのだと思われます。
これが破れており対応策として二重に敷き込むなどは、質問者にとってとても有利なもので、そのようにしていただくと良いと思います。
天井裏は常に乾燥状態にあり、この断熱材の梱包袋の破損部分から内部結露が発生するようなことは、ほとんど無いと言ってもよいと思います。
質問者が仰せのとおり、壁の防湿シートが張られているにも関わらず、天井裏に付いていないことは、確かに矛盾しております。梱包断熱材を敷き込む以前に、天井材のすぐ上にポリフィルムを敷き込むことが適切です。
しかし、天井の気密層を完璧に敷設することが大変に難しく、実際に気密シートを敷き込んだ家でも、その効果を実感できるレベルにするには相当な施工技量が必要です。
ハウスメーカーの多くが、施工しやすい壁に気密シートを張っても、天井を遣らないところが多いというのも現状です。
特に軽量鉄骨の住宅は、構造上、気密フィルムの施工が大変に難しく、しっかりと行われている所がとても少ないという実状もあります。しかし、本来は、壁も天井も床も完璧に気密シートを張り付けるべきものであります。
本件は、日本の温熱環境性能のレベルが問われるような現状と言えるでしょう。しかし、それが直ちに家に致命的な問題を与えるということにはならないと思います。
1階、2階の吸音を目的した断熱材はむしろ、梱包を意識的に一部、剥がしたほうが吸音効果を促進できます。