契約・法規のトラブル
業者側のミスで発生した補修工事費用など
2008.04.30
通気層を水が流れています
質問者/愛知県愛西市・NYさん(27歳・男)
今年の2月に注文住宅が完成し引渡しを受けました。住みはじめて気がついたことなのですが、雨が降ると通気層の中を水がぽたぽたと流れています。
構造は、家の外側から「塗り壁材→フラットサイディング→通気層→透湿防水シート→合板→断熱材(GW)→防湿シート→プラスターボード」で建てられた2×4の家です。
雨の日に基礎の立ち上がりが変わった濡れ方をしていたので見てみたら、水切り金具の網目の中からぽたぽたと水がたれてきていました。床下に入って確認すると通気層を伝ってきているようでした。業者に電話をすると「透湿防水シートが一次防水になりますので大丈夫です。外壁からは水は入るものです」との返事で確認にも来ていただけませんでした。
1.台風の時に雨水が多少浸入するのならばわかりますが、よくある普通の雨でこのように外壁から通気層へと水は浸入するものなのでしょうか?
2.品確法でいう瑕疵保証の対象である、「雨水の浸入を防ぐ部分」の瑕疵に今回の場合は該当するのでしょうか(外壁から通気層への水の浸入。ただし、通常の雨でおきる)?
お手数ですが、上記の2点につきまして教えていただけますと幸いです。
確かに通気層の役割は、外壁材の乾燥を促すこと、日射熱を通気層から逃がすこと、断熱材の湿気を蒸発させることと、雨水を下部に排出することです。本件のように軽い雨水でも外壁から通気層に雨水が回るということになると、質問者だけでなく、誰でもがいささか気になります。しかし、その外壁材の種類と施工法、さらには納まりによっても異なりますが、あらかじめ通気層から雨水を排出するように仕組まれる場合もあります。その場合、通気層の透湿シートはかなり厳重に防水する構造になっていなければなりません。
もし、その透湿シートから漏水して断熱材に吸収され、断熱劣化を起こす事態になれば、当然ながら「瑕疵担保責任」が適用されると思います。瑕疵担保責任は、雨漏り対策と構造体に竣工までの間に瑕疵(トラブルを起こす要因)があった場合、10年間にわたり施工者が責任を負うことが義務化されております。本件において、通気層から雨水がたれている状態での瑕疵担保責任を負わせるのは困難ですが、そこから内部に漏水したことが判明しますと、その可能性が強くなります。
品確法の瑕疵担保責任という法律は、質問者がいう「瑕疵保証」ではなく、瑕疵担保責任です。保証というと金銭的賠償などが伴いますが、責任真っ当というと必ずしも金銭賠償だけとは限りません。そのような雨漏り状況を改善する対策を実施させることです。これも、雨漏りを起こす要因が、家の出来る過程にあったことが前提です。竣工後に劣化現象、自然災害などでの漏水は対象になりませんので、この法律の趣旨を踏まえながら、今のうちから施工業者さんに適切な対応を確約しておくべきでしょう。