契約・法規のトラブル
業者側のミスで発生した補修工事費用など
2008.05.08
住宅性能保証制度の悪用?
質問者/大阪府守口市・Oさん(会社員・27歳・女)
現在、建売一戸建て住宅の購入を考えています。
売主が作成しているチラシに、「住宅性能保証制度登録店」として(財)住宅保証機構のマークが掲載されていました。
しかし、そのチラシに書かれている事業主は、(財)住宅保証機構の会員業者ではないことがわかりました。仲介業者に質問したところ、下請業者が登録しているのかもしれないということで、事業主にも問い合わせをしてもらいましたが、事業主からは調査するということで回答を保留されています。
チラシにマークも掲載されていますし、下請業者が登録しているのかどうか、すぐに回答できない、というのも疑問なのですが、こういった偽装の事例はあるのでしょうか。
その事業主からは、(財)住宅保証機構の保証と同様の保証を行うことを契約に盛り込みます、ともいわれています。
しかし、10年保証はもともと法律で義務づけられているものですし、この契約では(財)住宅保証機構に登録するメリットである、施工店が倒産しても保証する、という点や第三者のチェックという点がカバーされないと思うのですが…。
質問文章だけの判断では非常に危うい業者であるように思えます。(財)住宅保証機構は公的な補償機関なので、財務内容や企業規模など、一定の基準を満たさない業者を登録いたしません。まして、下請けが登録しているかもしれないとなどいう言い訳は不安を倍増させます。
ここでいう10年保証とは「雨漏りと構造体に対して、竣工までの期間に竣工後に問題を起す要因があった場合」に限り、竣工より10年間、施工者の瑕疵担保責任が義務化されていることを言っているのだと思われます。
(財)住宅保証機構の性能保証とは、法律で義務づけされている瑕疵担保責任(雨漏りと構造体の瑕疵)に対し、竣工から10年間にわたり、業者が倒産した場合でも(財)住宅保証機構が保証するというものです。業者が倒産などのために対応ができなくなるようなことがなければ、保証以前の問題で、施工業者は法的にその責任を全うしなければなりません。もともと法律で義務化されている内容を「(財)住宅保証機構の保証と同様の保証を行うことを契約に盛り込みます」という話も説明がつきません。
いずれにしてもチラシが完全に虚偽の内容になっているようなので、十分に調査してから購入の是非を決定をすべきでしょう。