工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2021.10.12
契約内容と違った工事と対応の悪さ
質問者/滋賀県東近江市・KNさん(41歳・男)
京都市から滋賀県へ移転のため、約1年前自宅を新築しました。新築にあたって、その1年前から準備に入り、設計から建築施工まで知人の工務店でお願いしました。その工務店は知り合いということもあり、大して疑いもしておりませんでしたが、実際引き渡しの時期(2005年3月末)になっても未完成、不備が多く、この1年間は、工務店とのトラブルの連続でした。下記がこの1年間の状況です(2005年3月末入居時の状況)。
【1】1階のウッドデッキ(濡れ縁)が未完成 → 2ヵ月遅れの6月頃完成。
【2】玄関の棚、2階書斎の棚、納戸の棚が未完成 → 8ヵ月遅れの11月頃完成。
【3】外壁焼き板の色を茶色に指定していたが黒になった。工務店からの説明は、「やり直しがきかないので、どうしようもありません」と言われた。さらに「焼き板(外壁)を張り始めてから完成するまでには、長時間を要しました。その間、何もクレームがなかったので、何も言わなかったお宅に責任がある。今さら言われても困ります」と言われました。
※こんな場合、私たちにどれだけ落ち度があるのでしょうか。私たちは、最後まで最終段階の表面仕上げで茶色になるものと信じておりました。
【4】各部屋へのガス工事(ガスストーブ用)は、契約書に書かれていますが、全くされておりませんでした。→未対応
【5】玄関は木製の引き戸を使用しましたが、雨が降ると木が膨張して開かなくなります。何度も連絡して直してもらいました。1年してやっと落ち着いたと思ったら、今はカギが壊れて外から施錠することができません。→現在ステンレス製の玄関に変更していただけるように交渉していますが、追加料金が必要だと言われています。
【6】窓枠の上の木に泥の土が流れ出たようなシミ(数カ所)があります。それもどうしようもないと言われました。→未対応
【7】ボイラーがガス式を指定していたのに、石油式が取り付けられていた。→未対応
以上、大きな欠陥はこのようなことですが、あまりにひどい対応に閉口しています。そこの工務店主の口癖は「いい材料を使用していますから」とふた言目には話していました。知人と言っても、元工務店主のお父さんにお世話になっておりましたが、現在病気のため、息子が全ての業務を任されている状況です。
契約書のとおりに施工が行われていない場合、契約書に基づいた施工の完了を確認してから最後の工事代金を支払うのが通常です。文書では記載されていませんが、既に工事代金の全額を支払っていることを前提に回答します。
【1】遅れたことは不満ですが、致し方ないと思われます。
【2】これも大幅に遅れたことは不満ですが、致し方ないと思います。
【3】茶色から黒にすることはできるのですが、黒を茶色にするのは大変に困難です。当然、施主は黒になるものと思っており、それを指摘しないのが悪いと言うことは無責任も甚だしいことです。しかし今更、茶色にしろと要求するより、それに相応する付属部材などで対応するよう要求するのが賢明と思われます。
【4】毅然として工事を実施するよう要求すべきです。
【5】木製の玄関ドアは定着するまでに時間がかかる場合があり、落ち着いた状況で、新しい鍵に取り替える要求をすべきです。ステンレス製の取り替え要求には相当な負担費用が伴います。
【6】結露などのシミだと推察できますが、ある程度、致し方ないと思います。
【7】石油ボイラーとガスボイラーでは、多くが石油ボイラーの方が価格も施工費用も高くつくものです。また、現在は石油が値上がりしておりますが、それでもガスよりかなり安価に使用できます。致し方ないと思います。
本当に呆れた工務店のように思われます。しかし、施主側もそのような工務店に発注してしまった責任も免れません。記載されたことを咎めるより、未完成の工事を確実に行うよう強く要求しなけばなりません。ただし、施工代金を支払ってしまった後は、施主者側のほうが弱い立場となります。施工工務店との感情的な対立では、施主側のほうがさまざな面ではるかに損をします。できるだけ冷静に工務店側に今後の対応をしやすくするような環境づくりが必要です。