結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2021.07.07
「2×4の夏型結露(逆転結露)について」
質問者/大分県別府市・MMさん(公務員・46歳・男)
夏型結露に対して西日本では室内側に防湿層をつけないでも良いとのことですが、これは本当でしょうか? 私は、2x4工法で、福岡県にこの秋に2階建ての家を建てる予定にしている者です。会社からの仕様によりますと、外壁には55ミリのロックウールを使用し、室内側にべーバーバリアーは用いないということです。これで正しいのでしょうか?
また、これは別の質問になりますが、屋根断熱と屋根裏の換気について教えてください。会社から提案されているものによりますと、屋根断熱(4インチのRコンというやつです)を行い、2階天井は石膏ボードを張る程度で、2階天井には断熱材は入れないそうです。また屋根裏の部分に換気口はつけないようです。断熱材を入れるにせよ入れないにせよ、換気口をつけないとこの部分の空気はよどんでしまい、熱の逃げ場がなくなり、結露やカビが心配されますが、いかがでしょうか? 私はできれば屋根断熱と天井断熱を併用し、さらに換気口を設けたいと思っていますが、この考え方は誤りでしょうか? 会社の方にお聞きしても納得できる返事がいただけず、困っていますので、ご教授いただければ幸いです。
まず、天井断熱仕様は質問者の考えているほうがはるかに効果的です。屋根の表面は、夏場に日射を受ければ100度を超えるような高温になります。屋根の裏面に通気層をつくって、この温度を排出しなければなりません。温暖地での天井断熱材は寒冷地より、夏場を考えるともっと厚くするくらいの仕様が必要です。本件の計画仕様では、屋根からの受熱が居室の構造体まで吸収され、夏に暑い家となりそうです。とにかく、天井裏の断熱材を思いっきり厚くして、小屋裏は外部と同等になるくらい自然換気あるいは強制換気で空気の行き来ができるようにします。
室内側に取り付けるポリフィルムによる気密シートは、温暖地においては確実に取り付け不要と言いきれます。夏型結露の有無よりも、入った湿気が抜け難く、湿った断熱材の乾燥を抑制してしまいます。グラスウールやロックウールは、乾燥した空気を静止させて断熱します。常に乾燥状態に保持するには、ポリフィルムを壁の構造部材に取り入れること自体が大きなリスクであるといえます。