結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2021.09.17
2階の暑さに悩んでいます
質問者/茨城県多賀郡・SMさん(会社員・36歳・男)
昨年の9月に新築し、初めての本格的な夏を迎えたのですが、とても暑くて眠れません。屋根は陶器瓦で色は黒です。屋根裏には、断熱材グラスウール(100ミリ10k)が入っていますが、小屋裏換気はなさそうです。ただ、軒裏にポツポツと穴が開いている板が数ヵ所あるだけです。
そこでおうかがいしたいのですが、屋根裏換気システムと、24時間換気システムを導入すれば、解消できるのでしょうか? また、どちらのシステムがトータル的(コスト含む)に最適でしょうか? どうかご教示ください。
おっしゃるとおり、外壁の上部は直接外部に開放されていなければなりません。外壁が日射熱で熱っされて上昇気流が発生し、断熱材の抱えた湿気を蒸発させるとともに、外壁の乾燥状態を維持させます。これからの対応としては、軒天(棟裏)のすぐ下(外壁の最上部)にレジスターを取り付けることです。
双方の質問に共通していえることは、小屋裏温度は適切な施工を施しても60度くらいまで上昇するものです。屋根材が直達日射に温められて100度近くまで上昇します。問題はこの小屋裏の熱をどのようにして排熱するか、また、室内温度を上昇させないかにあります。
棟換気は小屋裏温度を外部に放出するための換気方法ですが、強い風の雨天に、雨水の漏水を伴うリスクがあります。工務店が懸念をする大きな理由です。小屋裏の換気量は多いにこしたことはありません。棟天の空気孔もその一つです。
また、大きな電動換気扇も対策の一つです。電動換気扇は必要に応じて稼動させることができますので、有効な対策方法といえるでしょう。自然換気よりも確実な小屋裏換気量を確保できます。
コスト的にも、結果として電動換気方法が最も有効といえるでしょう。注意事項としては、これも強風の伴う雨を防ぐ構造が必要です。防水フードでガードする方法がベターと思われます。
天井断熱ですが、水戸市の方はブローイングという吹き込み断熱で、グラスウールより確実な断熱施工が期待できます。ところがいずれも100ミリでは、大変に心もとない断熱材厚さです。真夏の直達日射の遮蔽を考慮したとき、北海道のような寒冷地よりもっと厚い仕様が望まれます。これからでも遅くありません。ブローイングでもグラスウールでも、さらにその上にグラスウールを敷き込むことが可能です。あわせて300ミリ以上の断熱材を敷き込めば良いでしょう。施工はグラスウールをその上に載せるだけですので、簡単です。