工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2021.10.11
雨漏りと養生不足の被害
質問者/三重県四日市・さんど さん(会社員・32歳・男)
はじめまして、早速ですがよろしくお願いいたします。
新築し今年で3年目、4月に雨漏りしているのを発見しました。すぐさま工務店さんに修理をお願いし、雨漏りする部屋の天井とかを剥がしましたが、直接的な原因がわからず、考えられる箇所のコーキングをしてもらい様子見することとなりました。しばらくして雨が降ると、また雨漏りがしてきたので、雨漏りする箇所の上部にあるベランダまわりを自分なりに調べてみました。するとベランダの壁と家とをつないでいるコーキングに大きなひび割れを見つけ、翌日の晴れた日にそこからホースで水をかけてみました。するとジャンジャカ雨が漏れてくるのでベランダの手すりを分解し、再度、防水処置を実施してもらいました。それで雨漏り問題終結と思われましたが、風を伴った雨が降った日に雨漏りしました。またまた工務店さんに来てもらい、その日に確認してもらったところ、サッシまわりから雨漏りしているようです。早速サッシ上部の雨戸シャッター収納庫を分解したところ、家側の仕上材と呼ばれている鉄板がなく、断熱材がむき出しになっておりました。その日のサッシ屋さんの話では、「T社は仕上材あるけど、SNK社はないんやなぁ」と言われてました。後日、全サッシに仕上材の張り付けとシーリングを実施してもらい、併せてこのサッシの施工方法がこれで正しかったのかメーカーに聞いてもらうことにしました(この時点で僕は仕上材が必要かどうかも知りませんでした)。2ヵ月経っても工務店さんからなんの連絡もなかったので、自分で直接メーカーへ問い合わせたところ、仕上材は大工さんに用意していただき設置してもらうことになってます、とのことでした。そのことを工務店さんに伝えると、自分のところは何も情報収集しなかったくせに、サッシ屋の悪口を言い出す始末で、こちらが唖然としました。この仕上材の処置をしていただいてから雨漏りは止まっているようですが、それが原因とすれば、もともと施工ミスが原因となり発生していた雨漏りですので、損害賠償の請求もできるのでしょうか。
もともとは雨漏りを直していただければそれで良かったのですが、先日、雨水の浸入が予想される通気口の改善も同工務店さんにやっていただきました。やっていただいたのはいいのですが、その際、家の中を通ってベランダへ出入りしていた業者さんが、玄関~階段~ベランダまでの間にボタボタとボンドを垂らしていったのです。当初工務店さんが後からシンナー系のもので拭き取れば取れますよ、と言っていたので安心していたのですが、工務店さんがシンナーで拭き取ると階段&フローリング共に色が剥げて収拾がつかなくなりました。フローリングメーカーのサービスマンに来ていただき見ていただいたところ、今のものを生かしての修復は不可能と言われました。階段については同模様の薄い板を張り付けるという処置で、フローリングについては剥げた箇所の張替えとガサガサになった箇所もあるのでコーティングをすると、工務店さんに言われました。こちらとしてはこの被害については、全くもって工務店さんの養生不足が原因であり、このような切った張ったの修復では到底納得できず、階段の架け替えとフローリングの張り替えをお願いすると、「それではうちも法的に対処させてもらいます」と言われました。工務店さんも直さないと言っていないので、法的にはどうかわかりません。ただ建てたばかりでこんな状態で、ローンもたくさん残っており、悔しくてなりません。
そのような状況ですので、工務店さんにも不信感がつのりメールさせていただきました。長々と書きまして申しわけありません。どうかよろしくお願いいたします。
雨漏りについては「瑕疵担保責任」という法律で、10年間、施工者側に責任を課すことが義務化されています。しかし、この法律は竣工時の瑕疵(不具合やミスなど)によるものに限ります。本件の雨漏りの事象は明らかにこの「瑕疵担保責任」の対象になるものと思われます。しかし、法律にさまざまな抜け道がありますので、建主にとっては、何と言っても施工工務店との友好関係を保つことが最大の解決方法なんですが、今となっては無理な状態なのでしょうか。仮に瑕疵担保責任が適用されても損害賠償を課すというものではなく、あくまでも施工者が責任をもって雨漏りをしないように修復することを意味します。
雨戸シャッターの取り付け方法にしても、最初から内側カバーが標準になっているものと、なっていないものがあります。これだけで業者側に責任を押し付けるのは、たいへんに困難と思われます。また、フローリングの施工についても、竣工引渡し時に徹底して検証し、然るべき補修を要求すべき案件であったと思われます。
質問者の悔しい心情はとてもよく理解できます。しかし、施工工務店と友好関係が崩れると毎日がストレスの連続で、結局、損を見るのは建主側なのです。家づくりは全て、人がつくり上げていくものです。しかも何百人もの人たちが関わって一軒の家が出来上がりますが、人が絡む以上、必ずミスや心情の行き違いが発生するものなのです。
これから一生、この家に住み続けるわけですから、施工した工務店とさまざまなやり取りができるような関係が必要なのです。ぜひ、施工工務店と感情的にならないで、友好的な関係を修復する工夫をなさるのが、本件の最も効率の良い解決方法と思われます。
何でも賠償金とか、コレもアレも無料にしろとかの無理難題を突きつけると、施工工務店は逃げてしまい、法律で訴えたところで、訴えた側に有利な決着を見るのは本当に稀なケースしかありません。実は工務店側も建主さんとの友好関係を維持したいと思っているのです。