構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2015.02.10
床下をいかに室内環境に近づけるか
質問者/熊本県八代市・カエルッピさん(主 婦・34歳・女)
ポリスチレンフォームでの外張り断熱(木造軸組)、基礎は内断熱、べた基礎(防湿シート張り)、室内環境を考えて防蟻処理はなし。その代わり、土台、束にはヒバ……このような新築を考えています。 外張り断熱なので、床下も室内と同じ環境になるとよく本等に書いてありますが、床はフローリングの板を張りますので、そこで床下と室内の空気の通りはほとんどなくなり、床下はコンクリートの水分で湿気を帯びてくるのではと心配しています。1階の床は、32ミリのパイン材を張る予定ですが……床下の密閉が気になります。 床に、空気の通りが良くなるような通気部分を確保したほうがいいのでしょうか?(私の家の場合、1階床面積は77平方メートルです)。確保するのが必要ならば、それはどれくらいの広さでしょうか?
質問者の基本的な考えとしては間違っていないと思います。ポイントがいくつかありますので記述します。
1. 床下のコンクリートの高さを、地盤面の高さより最低150ミリ以上高くすることです。
2. 換気のことが触れられていませんが、気密性能と換気量、換気経路が大きく関わってきます。
3. 天井断熱と外壁断熱材の取り合いを完全気密にする必要があります。
4. 床下に居室側から電動換気扇で空気を送り込みますと、押し込んだ分の空気が居室に出てきます。その際、床下から居室に排出する排気口が必要です。
5. 本件は77平方メートルということですが、送り込む換気扇容量が150立方メートルくらい、各居室に1個以上の吹き出しグリルが必要です。大きさは100×200ミリ程度が目安です。この場合、床の仕上げ材に関係しません。
いずれにせよ、単に気密断熱の性能を持たせる場合は、多くの副作用が伴いますので、そのあたりを熟知した工務店を選定することが最も大切です。特に温暖地での住宅性能は、夏場の暑さ対策が絶対の必須事項となります。悔いの残らない家づくりを実践してください。