構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2015.03.06
床下断熱材のカビ、大丈夫でしょうか?
質問者/兵庫県神戸市・KKさん(会社員・43歳・男)
今年の10月で、3年になる2×4建て売り住宅です。たまたま床下にもぐった時に発見したのですが、床下断熱材(50ミリ発泡ウレタンだと思います)の内側(床材側)の一部にカビの発生が確認されました。数枚をめくり、確認しますと数ヵ所に同様のカビの発生が確認されました(直径30ミリぐらい)。
このまま放置しておいても良いものでしょうか。基礎はベタ基礎で、床下は乾燥しているように思われます。建築直後に発生したものが残っているのでしょうか(床材自身の湿気により)。
通常、床下の断熱材には、グラスウールや樹脂断熱材では、独立気泡率の低い、湿気を通す素材を使用します。本件に使用したと言われるウレタン断熱材は、湿気を通過しません。室内では生活発生水といわれる膨大な湿気を発散しています。また、水を零すなどのこともあるでしょう。床下の断熱材を通過した湿気が、床下から床下換気口を通じて外に滞ることなく排出される経路を確保する必要があります。断熱材が湿気を停滞させますと、本件のような問題を発生させることも十分に考えられます。
幸いにして、ベタ基礎で床下が乾燥しているということは、床下環境が安定していることが伺えます。対応としては、基礎の外側に、スチレンフォーム断熱材で、基礎断熱することで解決を図られたら良いと思います。基礎コンクリートの外側にスチレンボードを取りつけ、その上から保護モルタルで仕上げる方法です。その際は、床下のウレタン断熱材を取り外してしまいます。
リスクとしては、断熱材の裏側に蟻の道を作ってしまったり、モルタルが剥離したりする場合のトラブルもありますので、施工の吟味できる施工者を選択することが重要です。