結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2021.09.24
換気システムは第1種か3種かどちらがいいの?
質問者/福岡県福岡市・LEOさん(会社員・31歳・男)
現在、新築一戸建てを計画中ですが、いろいろ悩んだあげく、外断熱の家にしようという結論に達しました。そこで悩んでいるのが、換気システムを第1種にするか3種にするかです。
工務店は第1種の全熱交換型をすすめているのですが、ある工務店では顕熱交換型でないとダメとか第3種が適しているなど、意見は様々です。一番ベストな選択はどのタイプでしょうか?
まず、外断熱の採用ですが、九州・福岡の温暖地において、冬場の温熱環境に大きな影響を与えません。しかし、日射を受けた夏場の外壁表面温度は65度以上にも上昇するので、外断熱は防暑対策としての効果が明らかです。
換気の1種か3種との判断ですが、換気によるヒートロスを計算で行います。例えば時間あたり150立方メートルの換気をしますと、空気の比熱が0.3Kcalですから、150×0.3=45Kcalとなります。これに内外温度差をかけますが、外気温0度で室内温度20度場合、温度差が20度ですから、900Kcalの熱ロスがあります。
これは、電気ヒーター1KW分に相当します。この状態が、まる一日続けば24KWの電力を消費します。単純に電力料金を約20円をかけますと、1日の換気ロス分の電気料金が480円と計算されます。当然、エアコン暖房も燃焼機器においても、消費効率を上げて、実際には3分の1程度まで消費を抑えられています。しかし、シーズンを通して計算すれば換気によるヒートロスも膨大なものがあります。
第1種換気は、排気と給気を同時に行うことを言います。熱交換式換気扇は、換気排熱量の約60%を回収し、第1種換気に分類されます。
その同時給排気のとき、換気扇内でエレメントという熱交換部で排熱回収を行ったのが熱交換式換気扇です。全熱式と言われるのは、エレメントが紙のような透湿性の素材で構成されており、湿気も回収します。顕熱式と言われるのは、エレメントが金属などの透湿しない素材で構成されており、湿気を回収しません。北欧ではほとんどが顕熱式ですが、日本国内では大半が全熱式を使用しています。これは、日本の冬期間がことごとく乾燥することを考慮しているものと思われます。また、家のライフスタイルも考慮することが大切です。いずれにしても、家の気密性能が確立していることがあくまでも前提です。
第3種換気は排気するだけですが、気密性を向上させますと、その分の給気を行わなければ正常な換気量が確保できなくなります。隙間の多い住宅では第3種換気で十分です。