結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2008.11.22
通気工法の不備の改善方法について
質問者/鹿児島県霧島市・blueさん(主 婦・33歳・女)
お世話になります。今年の4月に家を新築しました。梅雨前よりクロスに黒いシミがでてきました。今回クロス、石膏ボードを剥がし柱を調べたところ、柱のカビによる現象とわかりました。そういう状態の柱が全部で20ヵ所近くあります。柱の水分量もかなりのものでした。家を建てる際に通気工法をして欲しいと業者に依頼しましたが、担当者があまり工法についてわかっておらず、外壁(サイディング)と壁の通気できる間隔も1センチくらいでした。おまけに外壁につける水切りも間違ってとりつけてあったうえに、左官工事でわずかに空いている通気できる隙間を埋めてありました。そのため床下の通気がほとんどできない状態にあるということがわかりました(それに対しては、床下に強制換気の器械を設置し強制換気を行うことになりました)。建設中の施工の際に室内のクロスの内側には防湿シートを張ってもらうように依頼したところ、必要ないと言われ張っていません。屋根は切妻で軒裏には有孔ボードがつけてありますが、軒天には通気孔などはついていません。これで屋根の通気は可能でしょうか? 今回の現象は壁内の結露によるカビだと思われますが、これを今回完全に補修し、通気工法の不備を改善するためにはどうしたらいいと思われますか?アドバイスをお願いいたします。
この文書だけで通気層だけの問題なのかを特定することは困難ですが、一般的な事象と対策について記述いたします。通気層は一般的に1.2~2.1センチくらいまでが効率的です。少なければ上昇気流が小さくなり、多ければ通気層の外と内で空気対流を起こす場合があります。本件の1.0センチは少し幅が足りませんが、それなりの役目を果たすことは可能だと思われます。通気層を設けない工法の家もあり、通気層が十分でないことがシミやカビになったとは断言できないと思います。
考えられる要因として、4月の竣工とのことですが、そのときの木材の含水量が多かった場合、その木材を塞いで梅雨の時期を迎えると、本件のような事象を発生させる場合があります。またクロスの糊などが乾燥できずにカビになる場合もあります。温暖地では、室内側の防湿シートが災いする場合がありますが、本件は取り付けていなかったのは幸いだったと思われます。というのも、この空気の乾燥する冬期間に柱などの湿気を抜け切ることが可能だからです。冬期間のうちに、次第に解消される場合も考えられます。
水切りの取り付け位置と左官工事での不具合で床下の通気云々とありますが、床下と壁の通気層は関連がありません。おそらく基礎パッキンの隙間を埋めたということでしょう。基礎パッキンの隙間を埋めると、床下換気を行うために強制換気が必要になる場合もあります。しかし、地盤面によっては常に床下が乾燥状態になっている場合もあり、そのような床下には換気を必要としない場合もあります。床下の地盤面がサラサラと乾燥していることが目安とまります。
軒天に有孔ボードを張っていれば換気口を取り付けません。有孔ボードは換気口の役目を十分に果たします。ただし、軒天から取り入れた空気を逃がす排出口が妻側についているはずですので確認してください。棟換気といって屋根の天辺から換気できるようになっていなければ、妻側に換気口がつくはずです。屋根の都合で自然換気口が取り付けできない場合、強制小屋裏換気扇を取り付ける場合もあります。上記の記述を参考に、検証を行い、この冬期間、様子を観察してみてはいかがでしょうか。