高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2008.12.27

工法が違っていた!このままでは家の耐久性に不安

質問者/千葉県千葉市・STさん(公務員・48歳)

前略

 長野県内にツーバイフォーの家を建てて7月末に引き渡しされました。その後、次の点が建築以前の工法と異なっていました。

1 壁内の断熱材(グラスファイバー)が防湿シートを使わずに裸で入っていたこと。
2 外壁サイディングの胴縁が横につけられて気密構造となり、外壁通気構造がとられていなかったこと。

 私も、壁内結露対策として重要視していたものであり、請け負った建築会社の一級建築士も高気密・高断熱住宅では重要なことといっていたのですが、結果的にこのように施工されていることがわかりました。
 建築会社では、1については、現在の内壁の上に一面に防湿シートを貼り、その上に薄い石膏ポードを貼って対処するということです。
 一方。2の外壁通気の対策は、今からではできないとのことです。どのようにしたらよいのか、このままでは、家の耐久性に対する影響が不安です。
 アドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いします。
 引き渡し後に、内装の表面に防湿シートを貼る対策は、かなりの費用がかかります。さらに、天井の気密はどうするのですか? 床下との気密はどうするのですか? その取り合いは? 実際に、ここまでやるとすれば多少の効果が望めるでしょう。ただし膨大な費用がかかります。結論から言って、そこまでの必要は無いといってよいでしょう。
 ツーバイフォーの構造そのものが軸組みと比べて大きな気密構造になっています。今のままでもそこそこの気密性能は持っているはずで、軸組み工法と異なり、内側から気密シートを貼ったくらいで、その性能が期待するほど高くなることはありません。
 外壁の通気層ですが、基本的に縦に通すべきものです。通気層は断熱材の湿気を蒸発させることと、外壁材を常に乾燥状態において耐久性を向上させる目的とがあります。しかし、断熱材の湿気蒸発除去の作用は日射熱が当たってはじめて生じます。日射の当たらないところでは、さしたる効果が望めないのが実情なのです。
 むしろ、外壁材の保護と外壁からの雨水の漏水除去に重きをおくべきです。そのためにも通気層は縦方向が効果的です。しかし、多くの事例においても、通気層が横だから特別弊害が確認されたということも少ないのです。かなりの湿気が、外壁材自体のもつ自然透湿性能やその継ぎ目の隙間から自然蒸発していますので、あまり、神経質になることはないと思います。
 10年以上経って、外壁でも張り替える時は、今の外壁の上から縦胴縁を入れて通気層をつくってください。
 内部に気密シートを取りつけることを提案するくらいの誠実な業者なのですから、むしろ、敷地の湿気(地下水面位)管理や防蟻のための土壌処理などの、定期的なメンテナンスを要求した方が、本質問者の利にかなうところであると考えます。