家の外回りについて
外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど
2015.05.27
建て売り住宅・無落雪の屋根って、こんなもの?
質問者/札幌市・匿名希望(会社員・42才 男性)
新築1年で初めての冬、積雪が進むに連れて2階の各部屋のドアが同じ方向に傾き開閉に支障が出始めました。
また、空く部屋の壁の所々に段差がみられるようになりました。
同じ建て売りの隣家についても同じ症状が出て屋根の雪を下ろしています。
業者は屋根の雪の重みが原因とのことですが、このようなことは仕方のないことでしょうか。
ちなみに木造在来工法の2階建てです。
無落雪の屋根には、スノーダクト方式と言う屋根の中心にスノーダクトを持ったもの、ルーフフラット方式と言う屋根を平らにしたもの、更に勾配付の屋根に横桟の雪止め構造としたものと、今のところ大別してこの三種類があります。
質問の屋根がどの種類の屋根か断定出来ませんが、いずれも溜まった雪が風に吹き飛ばされる仕組となっています。したがって、風で吹き飛ぶまでは屋根の上に積載する事になります。当然、その間の荷重に耐えられる構造としなければなりません。柱の太さ、本数、梁の背丈、桁の寸法などので積雪荷重に耐えられる構造です。
さらに雪に吹き飛ぶ条件を満たすためには、積載された雪が常に乾燥した状態になっていなければなりません。小屋裏に室内の暖気が洩れていますと、その上の雪を重くして風に吹き飛ばされ難くなります。
本件の解決方法としては、天井裏の断熱材を厚くするとともに、小屋裏の自然換気を促す換気口の数を多くする処置を施すべきです。特に建て売り住宅の場合は、断熱材が薄かったり、小屋裏換気口が少なかったりする場合が多くあります。この処置によってかなり解消されると思います。
無落雪屋根が二段屋根であったり、隣に大きな家がある場合などは、雪が風に吹き飛ばされ難い状況が続く場合があり、人の手による雪下ろしが必要となります。新築を考える場合は、設計段階からの検討が重要です。
落雪事故を防ぐため、条件を満たさない構造や立地環境で無落雪屋根を建築する場合、ルーフヒーター等での融雪機能を付ける方法があります。