構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
軽量瓦の劣化に悩んでいます。責任の所在、今後の対策等についてアドバイスをお願いします。
(1)状況の説明
a)1993年3月、軽量瓦を用いて母屋の屋根を葺き替えました。
b)1998年3月、母屋の屋根の軽量瓦がやや白く粉をふいたようになり、艶を失いました。また、一部に表面層が剥離し下地が見えるようになりました。施工した工務店にいうと、「瓦を製造したロットによって品質に問題があった」として、一部代金無料で、新しい瓦を用いて葺き替えてくれました。
c)1993年3月、母屋とは別に、同じ瓦を用いて離れの屋根も葺き替えてもらいました(この部分については当然、全額有料)。
d)現在、母屋および離れの瓦に再び劣化が見られます。具体的には、表面が白っぽくなっている、部分的に表面層が剥離して下地が出ている、一部の瓦にひび割れが起こっている、などです。
e)特に注目すべき点は、屋根の端に用いている一列の瓦だけ品質が高く、全く劣化が見られません(別の工務店の話では、ある年以前の同瓦には欠陥があったとのことです)。
(2)アドバイスいただきたい点
a)屋根の端の一列に比べ、他の瓦の品質が劣ることは事実ですが、その保証をメーカー、工務店などに求めることが可能でしょうか。
b)現時点では、外観が見苦しいだけで雨漏り等の実害はありませんが、一般的にいって、軽量瓦は何年くらいの寿命があるのでしょうか。
軽量瓦の寿命ですが、本瓦と異なりさまざまな種類があります。瓦を焼き付けるときの温度や、色をつけるときも加熱します。したがってロットごとに、品質が多少異なることも無いとは言えません。寿命についても屋根の形状や向きによって相当に異なります。
特に軽量瓦は紫外線に弱いので、南面の瓦が先に傷んでしまうことが多くあります。場合によっては数年で剥離を起こす例も珍しくありません。本件は年数も経っていることですし、雨漏りがないだけでも幸いと思うべきと思われます。特に屋根瓦は風雨などの天災に遭遇するので天災保証はほとんどができませんので、メーカーの保証もかなり困難が予想されます。
また軽量瓦は適度な期間でメンテナンスを行えば劣化を抑制することもできますので、メーカーさんや業者さんと相談して、最も適したメンテナンスを安価に行う方法を考えたほうが良いと思われます。