工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2015.04.27
外壁の塗り直しは可能?
質問者/愛媛県西条市・HTさん(会社員・35歳・男)
はじめまして。施工業者殿の対応に悩んでおり、どうしたらよいかアドバイスいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
築半年ごろ、外壁に亀裂が入っているのに気づき、1年点検の時に施工業者(ハウスメーカ代理店で元請業者)へお願いし、補修していただこうと考えておりました。ところが、1年4ヵ月を過ぎても施工業者から連絡もなく、当方から連絡して来ていただきました。「補修方法について後日連絡いたします」と言って帰られたのですが、いつまでたっても連絡がなく、こちらから連絡すると「外壁材メーカと連絡が取れていない。また連絡します」とか、「別物件で忙しいのでまた」と回答を延ばされました。それから3ヵ月ほど経って、ようやく外壁材メーカの方同行で再度見に来られたのですが、それからまた2ヵ月間、音沙汰がありません。現場監督が担当されていたのですが、対応の悪さにシビレを切らし、施工業者の社長様宛てにクレームを入れると、翌日、社長さんと外壁材メーカの方が来られました。…が、しかし、またもや「補修方法について後日連絡いたします」との回答。塗り直しして欲しい意向を伝え、補修方法についての回答期限をおうかがいしました。回答期限の翌日に連絡があり、パテ埋めによる補修のみという回答でした。
また、施工中のお話ですが、
・台所の天袋は不用と設計時にお願いしていたが付いていた。
→施工中に除けていただいた。
・トイレの中棚は不用と設計時にお願いしていたが付いていた。
→施工中に塞いでいただいた。
・防音施工をお願いしていたが、設計仕様書と異なる施工であった。
→設計仕様書どおりにしていただいた。
・天吊り部材が設計仕様書と異なる部材であった。
→材料費の差額をいただいた。
・アンテナ関連の部材が追加工事として二重請求された。
→請求を取り消していただいた。
等々。このような経緯があり、業者が信用できなくなっております。
コテ塗り外壁の亀裂ですが、
・下地パネルの継ぎ目が縦横とも、ひび割れている(2~3mmの隙間)。
・勝手口の角から基礎に向けて斜めに扇状にひび割れている(5mm~6mmの隙間)
状態です。
外壁の材料は、「有機質砂壁状仕上塗材」という材料を使用しており、外壁材メーカのホームページには、「JIS A 6909 可とう形外装薄塗材Eによる試験結果」というのがあり、「耐候性A法」や「可とう性」など、全ての項目が「ひび割れがないこと」となっています。
また、施工時に下地パネルの継ぎ目が目立っている(透けて見える)箇所があり、塗り直してもらったところは、ひび割れていません。塗壁は多少割れるもと理解はしておりますが、塗り直してもらっていないところが全て割れており、「瑕疵では?」との疑念が拭い切れません。
施工業者にパテ埋め補修ではなく、塗り直しをお願いすることは可能でしょうか? 塗り直しを要求することが可能な場合の事例やポイントなどございましたら、ご教授ください。
以上、長々となりましたが、よろしくお願い申し上げます。
本当に困った施工業者さんですね。建主さんとの信頼関係を崩すことを、ますます助長するような行動に怒りさえ覚えます。このような業者さんだからこそ、雨漏りなどの具体的な事象がなければ全面的な塗り替え工事を求めるのは大変に困難だと思われます。雨漏り事象に関しては瑕疵担保責任の対象となり得て、法的な義務を負わせることができるからです。
本件は塗り塗料の素材は詳しく記載されておりますが、コテ塗り外装とあるだけで、その塗り下地がモルタルなのか、窯業系の下地にコテ塗りしたものなのかがはっきりいたしません。おそらくモルタルだと思いますが、モルタルの場合においては、モルタル自体の施工方法によって、全くクラックの入らない方法もありますが、多くがモルタルの施工方法に問題があります。
モルタルにしても窯業系サイディングにしても、その素材にヒビが生じたら、どんなに弾性に富んだ塗料でもヒビが避けられません。本件は塗料より塗り下地の施工法に問題がありそうです。下地素材に問題がある場合においては対応がさらに深刻です。
下地をそのままにして塗布施工だけでヒビ補修や前面補修を行う場合、2~3ミリの厚さまで重ね塗りする弾性リシン系の施工法があります。相当の費用がかかりますが、下地を取り替えるよりはるかに安価に施工できます。本件の場合、瑕疵担保責任の法的な責任を負わせることが不可能と思われ、後は業者さんの道義的な施工責任を求めるだけとなります。しかし、ここまで無料で補修施工させるにはかなり難しい思われます。
本件は約束を守れない業者さんのように見受けられますが、結果として質問者の言うことに従っているように思われます。実際は結構、小心で人の良い社長さんなのかもしれません。場合によってはパテ塗り補修でも致し方ないと思われます。根気よく、折衝を行いないながら補修工事を貫徹させてください。