工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2023.06.05
配管のミスで排水が床下に流出!
質問者/埼玉県秩父市・OTさん(会社員 男)
某ハウスメーカーで、基礎断熱の高気密・高断熱住宅を建て、4月29日に入居しました。床下に換気口はなく、室内および床下は24時間換気システム(熱交換型)が稼働しています。入居直後に問題が発生しました。配管のミスで風呂の排水が床下に流出していました。風呂桶の配水管が不完全で50%ほど水漏れし、洗い場の配管については全く施工されずに100%が床下に流出していました。入居後2日目に、床下点検口を開けてみたところ、水がたまっているのに驚き、すぐにハウスメーカーに連絡しました。水漏れが排水であったため、床下を洗剤で洗浄し、ファンで乾燥させるという大がかりな作業が行われました。現在、見た目では土間コンクリートは乾いて見えるのですが、温湿度計では床下はほぼ20℃・75%で安定しています。
ハウスメーカーの言い分では、これで事故がなかった状態に戻ったと言うのですが、20℃・75%というのが本当に正常な床下の状態なのでしょうか?(ちなみに、このハウスメーカーのホームページでは、床下は室内よりも低い相対湿度を維持できるとしています) また、新築後2ヵ月近くも床下が非常に湿度の高い状態であったため、木材腐朽菌などの問題も心配です。
建築基準法において床下換気口は、一定の間隔内に一定以上の大きさのものを取り付ける規則がありますが、規定の条件を満たせば免除できます。OTさんの住宅も基礎断熱や地下からの湿気を防ぐ防水仕様によって、換気口を免除できるタイプと思われます。
この時期において床下が気温20℃・相対湿度75%はぎりぎり許容範囲であると言えます。むしろ、床下の相対湿度を室内より低くするという説明は実態にそくさないと思います(場所に関係なく気温が低くなれば相対湿度は上昇し、気温が上がれば相対湿度は低くなります。つまり、相対湿度だけで語れない理由があります)。湿度75%はぎりぎり許容範囲ですが、床下の温度が夏になって20℃以上に上昇しても、 湿度が現在の75%より下がらない場合、いまだ高湿度の状態を脱しきれていないと判断してください。その場合、床下に除湿機や強制送風などの処置で更に乾燥させる必要があります。いずれにしても人が施工することですから、本件のような配管トラブルを絶対起こさないとは言いきれませんが、本件においてその後の処置はほぼ適切であったと思われます。
確かに、OTさんがご心配されるように、竣工時はたくさんの工事水(木材、建材の含水量、工事中の雨水など)が含まれております。特に高気密住宅においては、意識的にこの工事水の排出を行わなければなりません。この時期の床下の漏水が家の構造に大きなダメージを与えたことは考えられます。
現在の梅雨時に20℃・75%はぎりぎり許容範囲ですが、床下付近の木材が吸湿して含水量(乾燥木材は20%以下)が増加していることが考えられます。メーカーの方に木材含水量を測定(含水計があれば簡単に測定できる)してもらうといいと思います。30%台以上になるものがあれば、その継ぎ目や重ね部分に腐食菌が発生することも考えられますので、さらに乾燥を促す処方を行ってください。