結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2023.06.28
壁体内結露対策と換気・冷暖房システムについて
質問者/兵庫県三田市 吉村啓二さん
はじめまして、兵庫県三田市で近々に自宅の建設を考えている45歳の男性です。老後の過し易さも考え、高断熱、高気密の家(2階建て建坪45坪程度)を考えており、メーカハウスのいろいろな工法を検討しています。ところがこの当たりについては諸説紛紛な様で少々混乱してきています。
そんなところに御社のホームページを見つけ早速、メールさせていただきました。よろしくお願いします。
壁体内結露の対策と換気・冷暖房システムの2点について質問させていただきます。
(1)壁体内結露について
標準的な2×4住宅では壁内の部屋側に防湿フィルムなどによる防湿層を設けるとともに壁側に空気層を設けるようにするそうですが、一方、鉄骨系やユニット工法では特に防湿層を設けない様です。工法によっては断熱材(フィルムの中には入っていますが)を詰めるだけで特に空気層も設けないというところもあります。
どうも外壁材の分厚さや気密施工などとの関係や建築場所の気候との関係がありそうです。
そこで質問ですが;
Q1)建築予定場所の三田市を前提に、まず、壁体内結露をどの程度心配する必要があるものなのでしょうか。取り越し苦労なのでしょうか。
Q2)対策をする必要あるとすると、防湿層と空気層の必要性と推奨される工法はどのようなものでしょうか。
(2)換気・冷暖房システム
24時換気を考えていますが、夏は窓換気中心で冬は個別暖房でと考えています。
また、うまく行けば1階、2階各々1台のエアコンでいけないか、と考えています。
そこで質問ですが;
Q1)換気システムについて、ダクト式の全熱交換型の換気システムでは調湿機能があるのに対して、換気ファンのみによる24時間換気システムではこれがないので、冬などは加湿器が必要になるほど乾きすぎるという話を聞きました。この2つのシステムの得失について教えてください。
Q2)24時間換気システムを導入するとして、冷暖房はどのような設備をどの程度考えておけば良いものでしょうか。1F、2F各1台のエアコンで過ごすというのは無理なのでしょうか。高断熱・高気密がどの程度であれば、可能なものでしょうか。
以上
(1)壁体内結露について
Q1
A 一般に使用される断熱材は、グラスウールのように綿状のものを使います。これは、綿に含まれる空気の断熱性を活用するためです。壁内や床下、天井裏の空気を、綿に閉じ込めて静止させ断熱します。しかし、閉じ込めた空気中の水蒸気が冷やされると凝縮して水滴になり、これが壁体内結露と言われるものです。防止策としては、断熱材に湿気を入れないか、入ったらその湿気を追い出す事をしなければなりません。
Q2
A 湿気を断熱材に入れない工夫はポリフイルムで気密、防湿層を兼用する方法が多く採用されております。また、断熱材の外側に通気層をとりつけ、断熱材が吸い込んだ湿気を吐き出す方法が取られております。住宅金融公庫の高気密高断熱仕様のマニュアルに載っており、多くの工務店が採用しており、一般的な工法と言えます。しかし、この工法で建築した住宅も、短期間で断熱性能が劣化したり、内部結露で腐ったりというトラブルも多くあります。施工性、立地性、構造、間取り、生活スタイル等で家に大きな影響を与え、パーフェクトとは言い切れないのが実情です。したがって、空気を利用しないプラスチック断熱材の利用の工法が注目されております。工法の種類は断熱ボードを張り付ける方法、断熱パネルを組み立てる方法な多くがあります。また、当方が開発した工法の難燃性の樹脂を現場発泡する方法などがありますが、それぞれ一長一短があります。当方のホームページをご参照下さい。
(2)換気・冷暖房システム
Q1
A 全熱式熱交換換気システムとは、換気の際に熱と一緒に湿気おも回収します。しかし、同時に臭いなども一緒に回収してしまう事になります。換気システムには、排気型換気や給気型換気があり、いずれも熱回収はしません。しかし、家の気密性能によっては、全熱式熱交換換気システムが全く効果を発揮しないものも多くあります。隙間からの自然換気量が多く、そのうちの一部を全熱式熱交換換気システムで熱回収しても、そのために使用する電気料が多くなる場合があります。また換気によらない調湿方法がございますのので、当方のホームページで勉強して下さい。
Q2
A エアコンの容量を特定する場合は、家の熱損失係数と生活発生熱、更には日射取得熱の計算が必要となります。特に日射熱を庇や日射熱遮蔽ガラスで遮断するなどの工夫が必要となります。家の方向や採光窓の位置及び庇、さらに東西の窓の日射遮蔽ガラスの採用で、各階一台のエアコンでも可能となります。本件も当方のホームページで勉強してみて下さい。