契約・法規のトラブル
業者側のミスで発生した補修工事費用など
2009.06.27
基礎よりも床が下がることに…
質問者/東京都杉並区・STさん(会社員・35歳・男)
この度、念願叶いまして建売ではありますがマイホームを購入することになりました。幸い基礎部分しか出来ていなかったので、手抜きが無いことを祈りつつも自分で施工チェックを行っております。
先日、営業より上棟が終わりましたとの連絡を受け、現場に足を運んだのですが、ナント基礎パッキンが入っていませんでした(売買契約時には、基礎パッキンを入れるとの話しがありました)。営業曰く、6月の建築基準法改正により基礎高を30cmにしたところ、3階部分の屋根高が13cm程高くなってしまうので、1階部分の柱をプレカット時に13cm短くした(設計は今年2月、基礎高17cm)。その影響で1階の床を基礎よりも低くする必要がある為、基礎パッキンを入れても効果が得られない。代案としてベタ基礎に数ヵ所穴を開け、○菱電機のソーラー式床下換気扇を3台(我が家の1階床面積は40平米)を無料で取りつけるとのことでした(1階部分の天井高は230cmと変わらないのですが、基礎よりも床を下げるという話は契約時に聞いていません)。
・折角のベタ基礎に穴を数ヵ所あけた場合、強度に問題は無いのか? 穴をあけてしまった場合、どのような補強が必要になるのか? 鉄筋を切った後の養生方法は?
・ソーラー式床下換気扇のメーカ保証後に交換を施工業者に求められるのか?
・土台よりも下への大引き・根太・束の施工による床・換気効率への影響は?
・契約時に施工方法の変更を告げなかった事に対してのペナルティーは問えるか?
なんせ家作りに関してはド素人なので、心配で心配で夜も眠れません。ご回答の程、宜しくお願い致します。
営業時点での段階と施工時において、建築関連法令においてやむなく変更が行われる場合があります。本件もその一例であると思います。基礎パッキンとは基礎と土台の間にスペーサーを挟み込み、床下の自然換気を促す方法です。諸般の事情により基礎(天場といって基礎の上部)より1階の床面を下げなければ、天井高を取れなくなったものと思われます。床が低くなって、床下高が取れないことは、床下の腐食防止の観点から芳しいことではありません。しかし、ソーラー式換気扇の代替施工は、STさんにとってさほどマイナスの利益にはならないと思います。ファン稼動で床下の空気を移動させることは、床下の腐食防止に大きな効果があります。
3台取りつけとのことですが、反対側に空気が入る吸気口が必ず必要となりますので、気をつけてください。基礎の鉄筋は、その一番下部の鉄筋が効いていますが、中央部分では影響は少ないものと思われます。ただし、あまり地面に近い場所では、雨返しの影響で換気扇の寿命が短くなります。できるだけ上部につけてください。さらに周辺に細かい砂利(13ミリ程度)を敷きこみ、雨の返しを防止してください。
施工者自身、床を下げる工事と換気扇の取り付けで、かなりの負担を負っているものと思われます。それは施工者の責任だと言えばそれまでですが、家は住んでから施工者にこちらからお願いすることも多く発生します。メーカー保証はだいたい1年くらいです。そんなに簡単に壊れるものではありませんが、保証期間終了後において、施工者に無料交換を求めるのは大変難しいことと思います。いずれにせよ、心情を阻害する行動は必ずしも施主の利益に見合うものではありません。
施工者と仲良く上手に付き合う工夫が、最もSTさんの利益に見合う手法と思います。