高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

家の外回りについて

外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど

2015.07.27

瓦施工に関しての質問

質問者/匿名希望

 横桟の取り付け不良で瓦が収まらなかったため、端をハンマーで欠いて無理矢理付けてあったことから、施工不良が発覚し、いろいろ調べてみるとそのほかにも水切りがないとか、3点固定のはずの軒先瓦も1点でしか固定していないとか、棟換気部材を付けてあるのに野地板の開口が満足にとってないとかの不具合が散見され、瓦を全部葺き直すことになりました。それ自体はいいのですが、最後に1点だけ心配点が残りました。
 縦桟を使わずに排水溝(450ミリ間隔で5×40ミリ)付きの木製横残のみを使用。水はけが悪くていづれ腐ってしまうのではと心配です。工務店さんは通常の3ミリ程度の縦残は、どうせ瓦を打ち付ければ隙間は閉じてしまうから同じだと言うのですが…。HPで探しても、そのような事例は発見できませんでした。
 正しい目をもった第三者の方の見解を教えていただきたくお願いいたします。勝手を言って申しわけありませんが、工務店さんはすぐにも修正工事に入ろうとしています。
 できれば急ぎで教えていただきたいのですが…。何とぞよろしくおねがいします。
 風を伴なった雨は、瓦だけで完全に防ぎきれません。そのため、瓦から漏水した雨水を瓦の下を排水する構造が求められます。防水層の上、屋根垂木の真上に縦桟木(通常9~15ミリ)を打ち、横に交叉させて瓦桟木を打つのが正常です。これは腐れを防ぐのではなく、桟木に停滞した雨水が屋内に漏水させないことが目的です。
 しかし、実際、ほとんど建築現場では縦桟木が省略されて施工されているのが現状です。これには、瓦の固定が不安定になるというのと、施工に手間がかかるという理由があります。それでも、縦桟木を取り付けない屋根で、桟木が腐るなどの深刻な問題を目にすることはありませんでした。屋根の上は季節を問わず、日射熱により、桟木に停滞した湿気が瓦の隙間から蒸発して常に乾燥状態となっているからです。本件は溝(排水口)を付けた横桟木を使用するようですが、理屈にかなっており、評価できると思います。
 いずれにせよ前提は、防水層が完全に施工されていることです。