高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

家の外回りについて

外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど

2015.07.08

外壁のつなぎ目から水漏れ

質問者/名古屋市・Yさん(主 婦・40歳・女)

 初めまして。新築して1年3ヵ月になります。今年1月にカーポートを施工したところ発覚したんですが、雨が降ると玄関横のバルコニーすぐ下の一定の区間の外壁の上下のつなぎ目から、複数水が流れ出していることがわかりました。建設屋に問い合わせたところ、外壁の裏を流れている分には支障はないとの話でしたが、玄関屋根の瓦の隙間などをコーティングしました。でも水漏れは止まらず、そのあと、瓦と樋の間一部分、バルコニーの外壁のつなぎ目をコーティングしました。そうしたら、今度は外壁の中を伝って外壁の一番下、基礎のすぐ上から水漏れしたり、バルコニーの下のボードのつなぎ目や外壁の真ん中あたりの高さからも水漏れがするようになりました。外壁の一番下から水漏れしてる場所は、サイディングを取り付けるための木がある場所のようで、その木が腐らないか心配です。
 建設屋は、家の建っている場所が高台で風の強い地域なので、風が雨を巻き込んで瓦の下から雨が入って漏れると言っています。確かに風向き、雨の量によって水漏れの仕方は違うんですが、風があまり吹いてなくても漏れるときもあります。風が強いからといわれると台風がきたら、どこの家も水漏れすることになるのでは?と納得がいきません。今度は、瓦と樋の間をすべてふさぐようなことを言われましたが、空気を循環させるために開けてある隙間をすべて塞いでしまって本当に大丈夫なのかと、とても心配でもあります。
 ALC板や断熱パネル、発泡断熱などの特殊工法では、通気層を用いないものもありますが、本件の外壁は、通気層があることを前提で外壁が構成されているようです。画像が無いので文章だけで状態を正確に掌握することができず、抽象的な回答になってしまうのが残念です。
 外壁の裏側は、外壁材だけで防ぎ切れない漏水を除去し、外壁材の乾燥を促し、外壁材が受けた太陽熱などを逃がすための通気層となっています。業者さんが主張しているように、単に外壁の裏側を雨水が流れているだけなら何の問題もありません。
 しかし、文章で判断できないのですが、瓦と雨樋のことが書かれていることが気になります。 本来、屋根瓦からの雨水が外壁に伝わらないような構造になっていなければなりません。瓦を伝った雨水は、雨樋を通じて外壁を伝うことなく排水されていることが基本です。
 通気層は、サイディングの下部から空気を取り込み、その上部(軒天の付け根)から開放する構造が基本となっています。したがって、吹き上げるような風雨によってサイディングの裏側に雨水が入ることもありえます。質問者が仰せのとおり、むやみに通気層を塞ぐことは上記のような機能を阻害します。
 サイディングの下部の「木」という記述がありますが、水切り台だと思われます。その木には必ず、トタンかアルミの水切りプレートが取り付けられているはずであり、木が風雨や紫外線に曝される付け方はしないのが普通です。このような構造になっているかどうかをしっかりとチェックし、業者さんと交渉すべきと思われます。