高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

設備や内装一般

暖房や電気湯水器、トイレの配管など

2009.09.11

暖房と換気について 2008.09.11掲載分

質問者/兵庫県・MSさん(主 婦・56歳・女)

築9年になる鉄骨プレハブですが、Q値なるものがどのくらいかはわかりません。
・壁は29ミリの内壁をW使用
・窓はペアガラス、断熱サッシではない
・2階天井裏にブローイング150ミリ
・床下はスポンジ53ミリ+40ミリ
・熱交換換気システムを2台(1Fと2F)、ダクトはブローイング内に沈めている
・気密は防湿シートだけで、C値は5.35(天井扇通常・換気小窓半開)~4.83(天井扇通常・換気小窓全閉)
・総2階建(220.5平米)で、吹き抜け、ロフト、床下収納なし

 寒がりの老親の寝室だけ(エアコンの風を嫌って)各々ハロゲンヒーター、オイルヒーターを24時間使用、トイレにパネルヒーターを使用、その他の部屋はエアコン暖房です。このため1月の電気代が全体で8万円台。6月は18,000円台です。電気代節約のため、電気温水器を入れ<ハピeタイム>を利用、灯油を熱源とする温水式床暖房(1階、70平米に敷設率80%)を検討をしています。床材は無垢の予定ですので、低温で24時間の稼動になりそうです。
 ところが、このサイトに「高断熱高気密の住宅では不快感の方が大きくなる。また暖房運転を常に微少燃焼させる為燃焼効率がことごとく悪化するとありました。高気密とはいえませんが、断熱は普通よりは高いと思うわが家の場合、床暖房はどうなのでしょうか?  低温暖房の場合は電気式のほうが良いのでしょうか? 電気式だとランニングコストが不安です。
 また、C値も2以下でないと換気システムの効果がないと知りました。以前、各部屋の吹出口を拭くと黒く汚れたため、気持ち悪くなって今は使用していません。使用しなければ、外壁の給気口と各室の吹出口を閉じたほうが良いのでしょうか? 小屋裏の空気が混ざっているようで、何となく気持ちが悪いのです。健康的な換気をするためには、どう改善すれば良いのでしょうか? メーカーの躯体補償は10年ですが、換気の不完全(気密の不完全)は補償対象になるのでしょうか? 質問が多くて恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
 兵庫県の住宅としてはかなり、断熱性能を意識した家であると思いますが、気密性能が伴っていないのが致命的です。文書だけで断定的な処方を申し上げられませんが、おおよその状況から判断して、本件については隙間が多いので、床暖房でも不快感の伴うような断熱性能があるとは思えません。
 床暖房の方法もさまざまな方法があります。蓄熱式電気床暖房、ガスや石油によるボイラー式床暖房などがありますが、いずれも一長一短があり、この文書だけで断定するには現場の情報が少なすぎます。暖房設備を行う業者さんに相談されることが最良と思います。
 換気については、C値が5.0程度なら熱交換式の換気を行う意味がほとんどありません。熱交換式換気扇の吸気と排気をどのようにて各部屋に分配しているか、この文書では判断ができません。むしろ一番簡易的な、第三種換気といって排気だけの換気扇を使用したほうが、隙間から吸気をするので、家全体の換気を均一にできると思います。
 外壁の換気口を塞ぐとまったく換気ができなくなりますので、上記のような、それに替わる換気方法が必要となります。躯体保証が10年であっても気密性能を確約した約定を交わしていなければ、メーカーに保障を求めるのは大変難しいことと思います。しかし、現状をメーカーに感情的にならずによく説明して、換気も含めてある程度、メーカーに協力していただいて、格安で改善する交渉を行うことをおすすめします。