契約・法規のトラブル
業者側のミスで発生した補修工事費用など
2009.10.14
施工会社が倒産
質問者/神奈川県横須賀市・ハニーさん(会社員・42歳・女)
はじめまして。昨年、平成12年築の中古物件を購入しました。今年になって雨漏り、同時期にシロアリを発見。シロアリ駆除業者の方に見ていただいたところ、土台には損傷がなく、雨漏りの箇所が食われているとのことでした。
損傷のある箇所の修理を始めたところ、外壁タイルの内側ほとんどすべてが腐っている状態だとわかりました。タイルの張り方の問題と空気口がなく、中に入った水が逃げられない造りになっているのが大きな原因のようです。施工業者の保障が10年ついていたので電話をしたところ、倒産しているようです。下請けの会社に聞いてみたら、調べてくれて5年くらい前に倒産している可能性が高いとの返事。
家の購入時に施工会社の倒産により、保障なし物件ということは売主からも、不動産屋からも聞いていませんでした。このままでは、地震等がきたら、危険な状態です。修理をするとしてもかなりのお金がかかります。この修理費用は、自己負担する他ないのでしょうか?
平成12年4月以降に竣工した家には、瑕疵担保責任という法律で施工や販売業者の責任が竣工後10年間、義務化されました。本件もこの対象案件である可能性があります。しかし、この法律は竣工までの設計や工事ミスによって発生する雨漏りや構造体の瑕疵に限られ、しかも新築物件のみが対象です。シロアリ被害については瑕疵担保責任の範囲から外れており、2次的要因であるこの雨漏りが竣工までの瑕疵なのかどうかの判断も、とても困難だと思われます。
結論からいって、相談者(ハニーさん)にとってお気の毒ですが、本件の修理代金は、自己負担になる可能性が強いといえそうです。中古物件を購入する際には、外観だけでなく、土台や構造体の状況を調査すべきです。
本件は、補修費用を負担させるべき業者が破綻して存在していないことになります。このようなケースは少なくありません。家を中古物件として購入する際の、「重要事項説明書」の有無と記載内容、またその関係者からどのような説明を受けたかを吟味して対応すべきでしょう。販売関係の業者さんに少しでも修理協力を得られると幸いです。