高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2008.11.16

揺れによる家や配水管への影響について 2008.11.15掲載分

質問者/大阪府門真市・あーやさん(52歳・女)

 築23年の一戸建て3層住宅です。家の裏に高速道路ができるので4ヵ月ほど前から工事がはじまり、大型車やクレーンなどが通り、震度2か3くらいの揺れが毎日続きました。そのころから給湯器のお湯を(洗面)利用すると、壁の裏から水漏れの音がするようになりました。また、キッチンの流し台と床の間に水がしみているのを発見しました。3階部分の工事に面している側の壁が一部ずれ、クロスがはがれてきました。
 先日、公団側が調査に来たのですが、後日、給水管の検査に来るとのことです。洗面は水漏れ、流しは雨漏りのような気がするのですが、工事の揺れと関係があるのでしょうか? 地盤が弱く家の傷みも気になります。揺れの配水管への影響や家そのものへの影響もご回答ください。
 また、この住宅は1999年に中古で購入しました。入居してすぐに和室の土壁が所々はがれはじめ、半年以内に2度塗り直してもらいました。その後も次々はがれはじめましたが、リフォームするしかないかとあきらめていました。しかし、1週間ほど前に雨漏りからも壁がはがれることを知りました。入居してからの壁のはがれは雨漏りが原因だとすれば、売り主(建築会社)に修理を請求できるでしょうか?
 建物の揺れが漏水にどれだけ関わったかを断定できませんが、揺れが大きくなってからの漏水ということですので、因果関係を否定できないと思います。いずれにしても、漏水トラブルが高速道路工事の揺れがどうか断定できませんので、工事関係者である公団側がどこまで対応していただけるかも未知数です。実際の状況をつぶさに検証していただき、満足の行く対処を願うばかりです。
 高速道路の「工事振動」と出来上がってから自動車の「走行振動」とは、その揺れ特性が異なります。家の揺れは、地盤の揺れ波長と建物の揺れ波長の特性が整合したときに発生するといわれています。したがって、地盤か建物の揺れ波長を変えることによって、揺れを大幅に少なくすることが理論的に可能となります。地盤面にセメントミルクを注入したり、摩擦杭を打ち込むなどして揺れ波長を変える方法と、建物に筋交いなどの耐力壁を増やして変える方法などがあります。その建物の状況に合わせて手法選択を行います。
 雨漏りの責任を業者に課すのは、「平成12年4月以降に新築」された住宅に限ります。したがって、本件は残念ながら雨漏りに対する瑕疵担保責任の対象になりません。販売業者へ無料で修理を要請しても、実行していただける可能性は極めて低いと思います。また、雨漏り対策として道路工事関係者に揺れ波長対策を求めても、該当する事例が見つからないため、かなり困難だと思われます。工事関係者のできるだけ質問者の立場に立った対応を期待いたします。