工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2009.12.01
土留め壁にクラック発生 2008.12.01掲載分
質問者/東京都小金井市・IKさん(会社員・56歳・男)
東海沖地震が騒がれる静岡県三島市の住宅です。
隣家とのコンクリート打ちっぱなし土留壁の、スリーブ入れしたアルミフェンス支柱の埋め戻しモルタルを中心に、両側に連続したクラックが発生した。フェンスの支柱は8本あるが、そのうち2本で全く同じ形のクラックが発生した。フェンスつきアルミの簡単なもので、たて格子、5~6kgの軽量である。
コンクリート断面はL字型、異径配筋は13ミリを150ミリピッチで4段施工。ベースのコンクリートから立ち上がり部は600ミリで、この立ち上がり部の両側にほぼ連続し、GLまでほぼまっすぐなクラックが発生した。断面で表現すると逆U字型にクラックは伸びている。上部に水をたらすと、すべて内部に浸透してしまい、クラックがかなり深いと思われる。
「施工業者はVカットして接着材を充填し、弾性塗装を実施する」といっているが、もともとあまり信用の置けない下請けだったので、果たして、
1 この方法でよいのか。
2 残りの支柱6本の周辺で同じ事象が発生するのではないでしょうか。
住宅の基礎におけるクラックについては、瑕疵担保責任が義務化されているのですが、フェンスの擁壁に対する法的な拘束力が弱いので、施工者の誠意にすがるしか方法がないと思われます。
擁壁の仕様をみると決して問題の起きるような仕様ではありません。しかし、コンクリートを打設する際に、打設作業の簡便化を図ってコンクリートを柔らかくするため、水を混入する場合があります。このような打設を行いますと、コンクリートが乾燥する際に収縮率が大きくなり、クラックは発生します。特に、アルミフェンスを取り付けるために、打設時にスリーブを埋め込んで穴をつくりますが、そのスリーブを抜く際に、亀裂の要因をつくったとも考えられます。処置としては業者さんが言う「施工業者はVカットして接着材を充填し、弾性塗装を実施する」方法でも効果は期待できると思います。
施工責任を追及するより、気持ちよく補修ができるようにモチベートしたほうは賢明のようです。