高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2010.01.07

屋根裏の結露で悩んでいます 2009.01.07掲載分

質問者/石川県江沼郡・IKさん(会社員 37才・男性)

 昨年末に完成した木造三階建て住宅です。3階の上(屋根裏)に物置スペースを作ったのですが、その天井が結露して屋根裏の床にポタポタ水滴がたれています。せっかくの収納スペースが使えない状態になっています。
 天井材はコンパネでその上に防音パネルを置きさらに防水シート施工の上カラーベストコロニアル瓦を葺いてあります。湿気によってコンパネにはたくさんのカビが発生しており、まだ新築して3ヶ月しか経っていないのに先が思いやられます。
 住宅メーカー(工事監督)に連絡したところ、
   「コロニアル屋根の上に雪が積もると天井裏が結露するのは仕方ない。」
   「どこのメーカーでも同じですよ。」
   「屋根裏のコンパネにカビが出ても全然問題ないですよ。」
   「それがいやならどうしてコロニアル屋根を選んだんですか?」
などと言われてしまいました。ちなみにこのメーカーが設計、施工ともに行いました。
 そこでアドバイスいただきたいのですが、
   ・本当にこの結露を防ぐ手立てはないのでしょうか?
   ・カビは本当に問題ないのでしょうか?
   ・このまま泣き寝入りするしかないのでしょうか?
   ・どこか調停してくれるような機関はありませんか?
どうかよろしくお願いします。
 質問の屋根裏結露は、屋根材(コロニアル瓦)のせいではありません。施工者が説明しているような、雪が降れば結露がおきる・どこのメーカーも同じ・屋根裏のコンパネにカビが生えてもかまわない・コロニアルを選択した施主にその責任がある・などと言う言い訳は、我々同業の施工する側にとって信じられない間違った説明です。こうした業者が実際に存在するとしたら大変嘆かわしい事です。原因は、生活空間から排出した湿気が3階の天井材を透過して、外気で冷やされた屋根材の低温部分で凝縮して水滴となります。
 結露を防ぐ方法は、3階の天井裏に湿気を通さないポリフィルムをしっかりと取付け、天井裏の断熱を厚くします。更にその屋根裏空間は、限りなく外と同じく自然空気が自由に行き交うような換気口を沢山取り付けなければなりません。通常、軒下天井材を穴の沢山あいたボードを使って行なっています。最近の施工者はこのくらいの技術を持っているのが普通です。屋根裏を物置に利用するためにはその出入り口にも、断熱と湿気の通過をしない処置が必要です。ただし、昨年の暮れに竣工したのであれば、この冬が最も屋根裏結露が多く発生します。これは工事水といって工事中の雨水や木材、建材の含んだ水分が抜けきっていないからです。来年は結露の程度は幾分、緩和されでしょうが、記述した処置は必ず行なう方が賢明です。