高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2021.12.14

2階の洗面所から1階天井まで水漏れ

質問者/埼玉県・Sさん(会社員・32歳・男)

新築を購入して2年と4ヵ月になります。1月31日に1階の部屋が水浸しになっていることが発覚。見上げてみると天井が大きく膨れ上がり、天板の割れ目から水が降り注いでいる状態でした。この部屋の真上はお風呂場ですが、調べても漏れている様子がなく、施工業者(当時の現場監督)に連絡しました。当該部屋の天井に穴を開けて水抜きをし、原因を辿っていくと、風呂場の隣の洗面台の下にある給水管が水漏れしていました。業者いわく「1階から2階へ繋がる配管との繋ぎ目がゆるんでいる」そう。配管はその場で配管業者が作業し、水漏れは直りました。
 その時の原因として業者側は「部品劣化でも、使い方が悪いわけでも、壊したわけでもないので、ウチが悪いです。」といいました。この部屋は仕事で使う機材部屋だったため、機材が水没。その時は、配管業者が「ウチが悪いので、家財はウチの保険で弁償します。」と言ったので、何枚か写真を撮り、帰っていきました。後日、水漏れ部屋の天井を修復してもらい、そのときに他にも水害にあった機材があったため、追加の写真とリストを提出しました。
 ここからなのですが、配管屋が後日「引き渡しから2年経っているし、洗面所の下なので、モノの出し入れなどでぶつかって緩んだものなので保障は微妙」だと言われました。確かに2年以上経っていますが、配管自体がずれるほどモノの出し入れはしておりません。共働きのため、洗面所の使用頻度も多くはありません。さらに現場監督は「普通なら洗面台の下から水漏れするのですぐわかるんだけど、家の構造上、この箇所が水漏れすると、1階の天井までいってしまう」のだそうです。「え? 設計したのおたくですよね? それって設計ミスなのでは?」ちなみに、洗面所の下の配管部分は収納スペースですが、まったく濡れていませんでした。
 この件に関しては、現場監督は「配管屋が悪いから配管屋が」配管屋は「ウチは悪くない」と言って、結局誰が悪いのかわからない状態となっております。ちなみに天井は現場監督のほうが業者を手配して直しました。こちらに請求はきてません。水漏れはしょうがないとしても、1階の件は許せません。結局数年後にまた繰り返すことになると思います。原因が明らかなのに、何の改善もしていないので。どういう手段を踏めばよいのか困っております。良きアドバイスよろしくお願いいたします。
結論からいって、施工責任は、施工業者(当時の現場監督が所属していた工務店なりハウスメーカー)にあります。人が行う給水管工事の施工ミスで、水漏れが発生することは、珍しくありません。その水漏れを起こした責任が配管業者にあるのでしょうが、その水漏れで問題が発生した場合、その対応や二次的被害(内装の汚れや家財道具への影響など)は、施工業者が負わなければなりません。
 ほとんどは、本件のような事故が発生した場合、配管業者と施工業者(工務店かハウスメーカー)間で対応を協議し、エンドユーザー(建主)さんには、不安を与えないような対応を行うものです。施工業者(建主さんと契約した業者)とその下請けで工事を行った配管業者との間で、責任の擦り合いなどを行うことは、特殊な工事契約を行った場合以外には考えられません。
 管理諸経費を安価にするために、「分離発注」といって、施工業者には躯体工事だけを発注し、設備業者などへは建主が分離して発注する場合が稀にあります。その場合は、問題が起きた処理対応も建主さんが独自で行うことになります。工務店かハウスメーカーに普通に発注して建築した家なのであれば、配管業者との交渉も含め、責任の一切を施工業者が負うよう毅然と対応を求めるべきです。工務店やハウスメーカーは、30業種もの協力業者を指揮して家づくりを行い、出来上がった後のメンテナンスも行う必要があるため管理諸経費をいただいております。