高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2010.04.08

換気口と小屋束が接近してますが… 2009.04.08掲載分

質問者/愛知県名古屋市・ごんべえさん(会社員・30歳・男)

 お知恵をください。
 私は、分譲住宅を販売している会社に勤めていますが、小屋裏換気について質問されましたが、答弁に苦慮しております。こういうものなのか、あるいは施工が悪いのか…。
 在来木造2階建ての住宅です。設計上は軒裏から吸気し、妻側から排気するよう、1/900以上の計算で、換気口が設けられています。しかし、4ヵ所ある妻側の換気口(ガラリ)のうち2つは、小屋束で半分以上隠れてしまっています。換気口と小屋束の距離は10ミリ程度です。この2つを無視しても、1/900以上の計算はクリアできますが…。
 本来は、プレカットの段階で、こういう事態を回避するのでしょうか(とすれば、今回は施工上のミスになりますが)。それとも、換気口(ガラリ)に小屋束が10ミリくらいに接近しても換気能力に影響ないのでしょうか。
 このような換気口と小屋束の干渉について、一般的な見解をお聞かせ願えればと思います。
小屋裏の換気口は熱気と湿気を排出するために極めて重要です。せっかく取り付けたのに、束と換気口の隙間が10ミリ程度では十分ではありません。
 特に温暖地の小屋裏換気の量は大きいに越したことはありません。その代わり、天井裏の断熱材が十分に充填されていることが前提です。この換気口が不十分ですと、夏場の日射熱で、小屋裏温度が80度近くにも上昇して、構造体に熱を溜め込み、夜に輻射熱となって放出するため、暑苦しい夏を過ごすことになります。
 小屋裏換気口は、取り付け状態を確認するのが厄介で、多くがこのように成り行きで納められているのが現状なのでしょう。切り妻の屋根の場合、換気口が小屋束のど真ん中という割りふりが外観の設計上、よくあることですが、構造設計との整合まで整理されていないのが原因と思われます。穴をあけた関係で、グリルを取り付けする必要がありますが、入居者のことを考慮した場合、左右にバランス良く、さらに2個の換気口を取り付けされたほうが良いと思います。