結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2010.05.01
屋根裏部屋の熱気対策について 2009.05.01掲載分
質問者/岩手県花巻市・Iさん(会社員・40歳・男)
<住宅仕様>
・次世代新省エネ仕様
・気密 0.6
・基礎 内外断熱(50+50 カネライトフォームB3)
・外壁 通気層工法(ビーズ法発泡ポリスチレン 特号 100mm)
・屋根断熱 ビーズ法発泡ポリスチレンフォーム200mm(100+100)
切妻(登梁〔合掌〕クロス+根太レス合板24+気密シート+断熱200+タイベックシート+通気層+コンパネ12+アスファルトルーフィング+ガルバリウム鋼板)
・暖房方式 温水パネルヒーター(窓下)
・換気方式 24時間換気、3種換気
・床下 砕石+防湿シート+押えコンクリート100+プラ束
(温水パネルヒーターの温水管床下コロガシ)
床下も24時間換気エリアとして排気している
床下の給気は、一般居室の対角部分にガラリ取り付け
・冷房 EHP5台
お伺い:夏場に3階(屋根裏部屋)がオーバーヒートする。
排気ファンの設置を検討していますが、屋根裏部屋の熱気対策についてご教授願います。
現在(2月)は、屋根裏部屋の温度の最高は、36度ぐらいです。冬場は、1~3まで、22度設定で、温度差が1~2度差ぐらいです。
記載の仕様を見る限り、岩手県の住宅としては稀に見る高性能仕様であり、家として良好な温熱環境を得るため、最高の仕様内容であると思われます。真冬は快適な暖房空間を維持できているように思われます。このような高性能住宅の課題は夏場対策に集約されるものです。
屋根断熱を200ミリのスチレンフォーム断熱材を使用したとのことですが、どのように断熱材を使用したかが気になります。100ミリのスチレンフォームを2枚重ねるにしても、屋根材の固定と通気層などを考慮した物理的な構造断面に断点が出来る可能性が出てくると思われます。屋根材の表面温度は真夏になると100度にもなります。そのため断点(木材の下地部分)がありますと、その部分がヒートブリッジとなり、小屋裏気温を上げる場合があります。しかし本件の場合、これ以上の断熱性能を求めるのは限界と思われます。
本件においては、エアコンの性能値が記載されておりませんが、エアコンの性能と家の立体断面を加味した配置がキーワードとなります。したがってエアコンの配置を見直すことで解決できると思われます。安易な方法と思われるかもしれませんが、3階の屋根裏部屋にもう1台エアコンを追加する方法が最も安価で賢明な解決法と思われます。エアコンの稼動メカニズムは、1台のエアコンを懸命にフル稼働させるより、2台のエアコンをゆっくり稼動させたほうが、双方のエアコンのエネルギー消費効率(COP・成績係数)が向上するようになっております。そのほうが経済的でクオリティの高い冷房空間をつくれるからです。