高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2010.05.14

24時間換気システムの排気口と吸気口が設計図と違う 2009.05.14掲載分

質問者/京都府京都市・HSさん(主 婦・29歳・女)

 9月に新築物件を購入しました。24時間換気システムの排気口と吸気口が設計図と異なっていました。3階部分の換気システムは吸気口のみが4ヵ所あるだけで、排気口が1ヵ所もありません。建築基準法の1時間で住居内の空気の半分が換気できる状態というのは、3階建てなら1階や2階にそれだけの条件を満たしたシステムがついていればそれでいいのでしょうか?
 業者の方には全く問題ないと言われましたが、不満が残っています。
確認申請の際に、質問者が仰せのとおり、居住内の空気を時間当たり0.5回の24時間換気を行うようになりました。確認申請の際に、その換気量計算表と排気位置、吸気位置と、その数を記載することになっています。自治体によっては、建築主事が完成時にチェックを行うところと、図面チェックだけのところがあります。
 本件は図面と異なる施工を行っているということは、建築主事の完成チェックの行わない自治体なのだと思われます。チェックの有無に関らず、この「時間当たり0.5回の24時間換気」の基本的な考え方が非常に曖昧であるといえるでしょう。
 換気量はその家の気密性能とライフスタイルで、その家にフィットした換気量を特定すべきです。場合によっては換気の全く必要としない家も、強制的に換気を強いられているのが現状です。しかし、相当の気密性能の高い住宅でも換気扇が取り付けられていなかった現状を改善するには、このような法律も暫定的に必要であったのだと思います。
 本件において、その気密性能がどの程度か記載されておりませんが、基本的に吸気は空気の汚染する可能性の最も低いところから行い、排気は汚染度の一番高いところから行うように換気経路を確保いたします。
 法律では、事務的に設置されていれば良いことになりがちですが、問題は居住内の空気環境が常にクリーンなっているかどうかです。例えば、炭酸ガス濃度計などで各部屋を測定すれば、すぐに判明します。
 炭酸ガス濃度と他の有害ガスもほぼ比例することが多いので、大きな空気のクリーン度の目安になるものと思われます。炭酸ガス測定器はあまり高いものはありませんので、業者さんが「全く問題ない」と言い切るのであれば、その業者さんに測定していただくことをおすすめします。業者さんが持っていない場合は、リースでも持っている業者から借りることができるはずです。炭酸ガス濃度は、森林の中が400PPM、屋外が500PPM~600PPM、生活している居住内を1000PPM以下にすることが基準となっています。