2010.06.07
2世帯住宅音の問題 2009.06.06掲載分
質問者/愛知県一宮市・OYさん(会社員・40歳・男)
完全同居の2世帯住宅を新築中です。1階両親の寝室の上に子供部屋があります。木造在来工法で2階の音が心配です。工務店は2階のスギの無垢フローリングの下地床材として、D社の断熱・吸音材を敷くと言っているのですが、充分かどうか心配です。各部屋の戸も引き戸で遮音性が低いかもしれませんが、せめて話し声や歩く音が聞こえにくい程度に1階天井、2階床下、壁に防音に配慮した施工をしたいと思います。具体的にどのような工事をどんな材料ですれば良いか教えていただけるとありがたいです(子どもは3歳、両親は70代)。よろしくお願いいたします。
多くの2世帯住宅を建築してきましたが、階下に住む両親は意外と孫の元気な足音を気にする事例が少ないようです。家族の営みを良いことのように感じられる家族関係を保持できるているからでしょう。むしろ、お母さんの方が両親に気遣いし、その気遣い気配りが良好な家族関係を保持することにもなりそうです。つまり、2世帯住宅で幸せな生活を送るには、そのような家族の信頼関係が不可欠ということです。
遮音に関する技術的な方法ですが、「無垢フローリングの下地床材として、D社の断熱・吸音材を敷く」という方法は、かなりの効果が期待できます。在来工法は2×4工法より、室内反響音や振動音が少ないので、上記の方法は適切なものであるといえるでしょう。さらに両親の部屋の天井に遮音シート(鉛の入ったシート)を敷いて、その上に両面に何も付いていないグラスウールを吸音材として敷くとさらに効果的です。
この遮音シートを両親の天井、壁全部とドアや戸に挿入する方法もあります。多少の費用はかかりますが、両親への気遣いとしてはとても良い方法と思います。また、騒音の出そうな部屋すべてにこのような遮音仕様で施工することも良いでしょう。
しかし、鉄筋コンクリートの家と異なり、木造住宅では、人の生活音の完全遮音を求めるのは困難です。やるべきことを行って、あとは家族愛の構築が不可欠と思います。