高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2010.06.23

建売分譲住宅の工事明細がないのはなぜ 2009.06.23掲載分

質問者/根本 歩さん

 戸建分譲住宅を購入したが、販売した会社から工事内訳書(土地にいくら?建物にいくら?更に詳細の諸工事はいくら?)を提出してもらえない。 高いお金を出して購入しようとしている以上、各々の工事明細がいくらかを知るのは客の当然の権利のはずであり、不明なのはどうみても不合理で納得できない。 工事内訳書が出せない?見せたくない?のは住宅会社にうしろめたい部分があるからなのですか?教えてください。
 文の内容からでは既に購入済みかこれからの契約なのかが解りません。一般的な現状で回答致します。
 多くの土地付き建売分譲住宅は土地の宅地開発から行っています。
 原野であった土地を安く購入し、膨大な施工費をかけて造成を行います。開発行為における造成地は、道路や公園用などの区画も配分しなければなりません。また、その期間の管理経費や立替金の金利、販売出来るまでの営業経費も当然かかります。土地付き建売分譲住宅では、こうした投資資金回収を加味した価格となっています。言わば投資分の回収は当然の事で、その行為そのものを責められる事ではありません。したがって、根本様がおっしゃるように、工事明細書を提出しない事と、後ろめたい事があるという事が、必ずしもイコールでは無いと思います。土地代、開発費、道路等提供土地負担分費用、金利、営業費などの詳細と角地などの優良土地の価格差など、多くの価格設定条件が絡みます。分譲業者はこうした事情を加味し、建築費と総合した価格を設定する場合がほとんどです。この場合、すべてとは言いませんが、そのしわ寄せが住宅建築施工に及ぶ事があり、住宅建築施工にかけられる費用が極端に少ないという事例もあります。また、形だけの明細書はいくらでも作成する事が可能です。数値の組み合わせを行うのは極めて簡単なのです。
 実態を正確に誠実に明細を作ろうと思えばこそ、かえって提出しにくい事なのです。土地付き建売分譲住宅は、一般の注文住宅建築施工と異なり、実行に見合う正確な工事明細を提出しにくい情況にあり、こうした物件を購入する場合の最大のリスクである事を充分考慮する必要があります