家の外回りについて
外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど
2022.03.25
温暖な地域の窓ガラスの選定
質問者/静岡県御前崎市・Mさん(会社員・56歳・男)
温暖な地域の窓ガラスの選定について、おたずねします。4地域、あるいは5地域において真南に面するバルコニーのガラスです。バルコニーは奥行きが1400mm。天井からガラスの下部まで2400mmです。ゆえに日射に対して有効であると考えています。Low-E膜が室内側ガラスについている高断熱タイプの窓が良いと考えているのですが、ガラス屋さんからこの地域では高断熱ガラスはほとんど使わないと言われました。もちろん冬場の暖房器具は必需品です。西側、東側の窓に対しては、Low-E膜が室外側ガラスにある遮熱タイプの窓を予定しております。
この場合、南面の窓は高断熱タイプか、遮熱タイプか、どちらを選んだらよろしいですか? もちろん建物が真南ではなく、南東とか南西に振れている場合は遮熱タイプの窓が良いと思っているのですが。
温暖地といえども静岡県では、冬の寒さを無視することなどできません。ガラス部分からは大量の日射熱を取り込みますが、恒常的に熱を逃がしています。
本件の質問ですが、真南に窓面が向いていて、庇部分が1400mm、ガラス下部まで2400mmなら、夏場に日射熱はほとんど侵入いたしません。あえて、遮熱タイプ(室外側ガラスにLow-E膜がついたもの)を付ける必要はなく、断熱タイプ(Low-E膜が室内側ガラスにつけたもの)のほうが賢明です。これは、真冬になると太陽高度が低くなるため、庇の下から家屋内に陽射しが入り込んで暖房貢献いたします。これを、遮熱タイプを付けた場合、かなりの太陽熱を遮蔽するため、暖房貢献度が少なくなってしまいます。
東西の窓ガラスは、太陽高度が関係なくなります。また、日射時間に限りがあるため、遮熱タイプを選定することが良いと思います。
これからの家づくりは、Low-Eのペアガラスがレギュラーになると思われますが、ガラスだけでなく、家全体の断熱、気密性、換気性能などとも整合させる必要があります。