高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2022.03.31

ベタ基礎の床下点検口

質問者/東京都大田区・Kさん(主 婦・40歳・女)

 はじめまして。築6年の2×4工法、ベタ基礎の木造住宅に住んでおります。5年が経過しましたのでシロアリ薬剤散布を業者に頼みましたところ、まず床下の状況(カビや換気の具合)を点検します、ということでした。ところが、床下点検口が我が家にはどこにもありません。施工会社に問い合わせたところ、「ベタ基礎なので床下はすぐコンクリートの基礎になっているため、床下というものは存在しない。点検口も換気口も必要なし」ということでした。
 でも、配管は床下にあるはずでしょうし、もぐって点検できないのはおかしいのではないかと納得しかねています。ベタ基礎でもシロアリは出ると聞きますし、施工会社の言うとおりであれば、床下に何か異常があった場合は家を取り壊さないと直せないということなのでしょうか?
 素人で的を得ていない質問かもしれませんが、アドバイスいただければ幸いです。我が家は土地35坪、建坪12坪、キッチンは1階、浴室は2階になります。
 床下を常に乾燥状態に保持するため、建築基準法で床下換気口を設置しないさい、という規定があります。しかし、床下換気口は、その部分から害虫、雨水などが浸入する場合があり、ベタ基礎も含め、防水仕様を施すことで割愛できるという附則事項があります。
 質問者の家を建築した施工会社は、このように床下換気口を必要としない仕様になっていることを説明しているのだと思われます。本件の床下換気口については、為すべきことを為していれば、規準に則していることになります。
 しかしながら床下点検口がないことのほうが問題です。為すべきことというのは、地盤面からの防水構造となっていることなどですが、不測の事態が起きないとは限りません。床下には家を支える土台、根太、束、床下地などが組み込まれており、シロアリの侵入経路も床下です。仰せのように配水管、給水管の漏水なども皆無ではありません。常に点検できるような点検口が必要です。
 工事過程においても点検口がなければ、最後の配管組み込み施工ができないはずです。小さな家の場合は、物置や押し入れ、和室の畳の下などに、点検口がついている場合があります。万一、点検口がなかった場合、生活動線に影響のない部分に何箇所かの点検口を取り付けるべきです。
 点検口の有無については、建築主事の指導要項に含まれていますが、施工者や設計者に対して、無償弁済を求めるような強いものではありません。点検口の取り付けは、大きな費用が掛かりませんので、施工業者さんに事情をお話しし、できるだけ廉価で気持ち良く取り付けするよう要請することが賢明でしょう。