構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2021.11.16
冬場の寒さが気になります。これって木造在来工法の欠点?
質問者/富山県射水郡・HKさん(会社員 33才・男性)
新築して2年目の木造在来工法の家に住んでいますが、冬場の寒さが気になります。
外壁および、2階天井部には、100mmのグラスウールによる断熱材。1階床は、150mmのウレタン断熱で、最近いわれる高気密高断熱の住宅と比べると、極端に寒さが厳しく感じます。冬場は、LD(17畳)をファンヒーター1台で暖房していますが、7Lの灯油タンクは1.5日程度で空になります。雪が積もった時のつららのつき方も他の家に比べ目立ちます。夏場もLDが南向きで窓が多いからかもしれませんが、エアコンの効きがいまいち。これが、木造在来工法の本来の欠点なのでしょうか?1階の天井に何らかの断熱処置を施したら、ある程度の解決になるのでしょうか?
質問の内容が事実とすれば、住宅の断熱方法が間違っています。通常、150mmのウレタンを断熱材として床下に使用した場合に見合った天井の断熱材は、200mm以上となります。グラスウールとウレタンではウレタンの方が断熱性能が上回っており、天井断熱は夏の日射熱の遮蔽や、暖房時の上昇暖気を抑えるため、床断熱の倍近い断熱性能が求められます。壁の断熱仕様が分かりませんが、種類の異なる断熱材を使用した場合、床、壁、天井の断熱材の取り合いが大きなポイントなります。当然、気密性能を高めるにも高い技術を必要とします。状況から判断してその当たりに問題が伺えます。
つららが目立つのもその典型的な現象です。天井から洩れた熱が屋根の雪を溶かして下方へ流れ、熱源を失った軒先で急激に冷やされてつららとなります。 解決策として一階の天井に断熱処置はどうかとありますが、一二階の間に断熱材を入れても効果は期待できません。ともかく屋根に面した天井の断熱を徹底する事が肝心です。グラスウールを天井裏に敷き込む事は難しい仕事でありませんので早速実行してください。つららも確実に少なくなります。
注意事項として、屋根の軒先の裏側(軒先天井・軒天という)からの自然空気を取り込む換気口を出来るだけ大きくして、断熱材と屋根材の間が自然空気による大量の自然換気が出来るようにしておかなければなりません。