2022.03.07
湿気対策と断熱について
質問者/兵庫県加東市・匿名さん
今年、建て替えを予定しております。2年前に都心から田園地帯に移転し、気候風土の違いに戸惑い、建築の工法や湿気対策、断熱方法など迷い悩んでおります。
周辺は水田地帯で、地下水位も高く朝霧も発生します。昼頃まで霧が晴れないこともあります。計画の建物は、在来木造で外壁のみ土壁に漆喰、焼き杉の腰板張り、入母屋で燻し瓦葺きとします。外部建具はアルミと樹脂の複合サッシでペアガラスです。内部は大壁で珪藻土か漆喰塗り仕上げ、床は全てヒノキのフローリング、天井は杉板張り仕上げです。外部吸気の薪ストーブも導入します。
問題は湿気対策です。基礎断熱をして床下に湿気を入れないようにしたいのですが、この工法は気密性が必要とのこと。土壁の室内側にPBを張るにしても必要な気密性が得られるか不明です。矛盾したような工法ですが、アドバイスを頂けないでしょうか。私が化学物質に過敏なため、上記のような仕上げとなっております。
よろしくお願い申し上げます。
温暖地における夏場の湿気は本当に厄介なものです。大まかな計画が決まっているようですが、地下水面位も高いとのことですが、湿気を防ぐためには床下の高さがポイントとなります。まず、外部の地盤面よりできるだけ高さを取ったベタ基礎構造にすべきでしょう。床下の部分だけの気密性をあげることは極めて困難です。
私どもが構築した工法では、床下も含む家全体の湿度を管理するものもあります。換気で床下の空気を動かす方法もあります。低温の床下に湿気の多い夏の外気を取りれることは、床下にその湿気が凝縮して湿度が高まるという指摘もあります。しかし、床下に湿気が入らないように密閉することは事実上、無理なのです。
やはり、普通の住宅では空気を動かしておくべきです。内装仕上げについては、自然素材を多用しており素晴らしい仕上がりとなると思います。
様々な工法がありますが、キャッチコピーに惑わされないで、実際に住んでいる複数以上の人の話を聞いてから決断すべきでしょう。悔いの残らない家づくりを楽しんでください。