構造・建材について
断熱性や防音性、構造の強さなど
2022.09.29
屋根の葺き替えと荷重について
質問者/埼玉県越谷市・Tさん(自営業・45歳・男)
築11年になる2x4住宅の屋根の葺き替えについてお尋ねします。
もともとはコロニアル葺きだったのですが、劣化が進んだ上にカビも生えたりしていたので、昨年、ガルバリウムに葺き替えました。
工法は、もともとのコロニアルの板の上にコンパネを打ちつけて、ルーフィングを敷き、さらにその上からガルバリウム鋼板を張るというものでした。見積もり段階で、かなり重量があるように思うのだが、これは建物全体に影響を及ぼすことは無いのか?と疑問に思い尋ねたところ、一点で支えるわけでなく、建物全体で支えるのだから問題ない、との回答でした。
しかし、新築当初にハウスメーカーと交わした契約書には必要壁量等の計算書が付いており、そこには屋根材による係数等もちゃんと書かれています。
このところ内装を一部、手を加えたい箇所が出てきて、家の図面を出してきて見ていたら、この点がとても気になってきました。
使用した部材は、コンパネ52枚(厚さ未確認)、下地ルーフィング23、ガルバリウム鋼板78(見積書では役物ロス含むと書いてあります)ですが、これだけあればかなりの重量だと思うのですが、リフォーム会社の言うとおり、特に問題ないのでしょうか?
将来、窓を腰高→掃き出し窓に変更したい箇所や、新たに明かりとりの窓を付けたい場所があるのですが、リフォームの際には屋根の荷重が変わっているのだから、当然、必要壁量も変わってくると思います。よってリフォームについては、やはり2x4住宅リフォームの経験豊富な業者に、構造計算からきちんと見直してもらった方が良いのでしょうか? また、そのためには、昨年の葺き替え時に使用した合板の厚さを確認しておくべきでしょうか?
2×4工法は壁構造となっており、屋根自体の重量の他に、降雪などの短期的にかかる重量ととも、かなりの安全度(都道府県によって降雪量が異なるので埼玉県では降雪地帯のような計算を行いませんが、数十年に1度程度の稀に起きる降雪量に対応)を加味して壁量を計算設定しております。
これは軸組工法と異なり、垂直加重を支える柱がついておらず、その荷重を壁で支え、さらに水平にかかる加重にも応力を持たすためです。
昨今の大地震続きで、心配になられたのだと思いますが、本件の場合、コロニアルの上にコンパネ、ルーフィング、ガルバリウム鋼板の敷設とのことです。これは瓦などの屋根材と対比しても、はるかに軽量です。
業者さんが仰せのとおり、コンパネと鋼板で屋根面全体で重量を支える等分布荷重構造になっています。
むしろ、将来的に行う予定の開口部変更計画の方が構造に与える影響が大きいと思います。開口部を大きくすると壁量が少なくなり、垂直荷重に影響が考えられます。また、掃き出し窓にしますと、水平応力に影響が出る場合があります。
今回の屋根材追加での心配はないと思いますが、開口部リフォームの際は、改めて構造計算の見直しを行うべきと思われます。