結露と換気の問題
窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど
2022.11.09
過剰乾燥のメカニズムがよくわからない
質問者/東京都・KRさん(主 婦・30歳・女)
マンションなどのコンクリートの建物での外断熱工法について調べたのですが、まだわからないことがあります。
従来の内断熱工法のマンションでは、湿度管理が難しく、過剰乾燥または高湿度になりやすいということが言われていますが、ヒートブリッジの存在で、結露が発生したりして高湿度になるのはわかりますが、過剰乾燥するというメカニズムがよくわかりません。
また、最近の気密性の高い木造一戸建ての場合、やはり過剰乾燥することがあるのでしょうか。木材の熱伝導率はコンクリートの1/10と小さいので、木造住宅の充填断熱の場合、 もしヒートブリッジが存在しても、その部分での温度低下・温度上昇が小さく、内断熱のマンションで頻発しているような結露・カビ問題は起こらないそうですが。
居住空間の湿度は、低温部分があれば、そこに空気中の水蒸気が吸収されます。湿度と温度の関係で、低温部分の温度が露点温度以下になりますと、水滴(結露)となる場合があります。結露の場合は、その部分がガラスや金属、コンクリートのように、硬質で湿気を吸収しない部材のときに発生しますが、木材や建材などの場合は湿気を吸収してその部分の含水量が増加し、腐食菌(初めはカビの胞子)が発生してハウスダストとなり、住む人に影響を与えることがあります。高湿度の場合によく発生する現象です。例えば、気温20度、湿度80%のときの露点温度は約16度ですから、わずか4度低い部分から結露が始まります。
したがって、建物に低温部分をつくらないようにすることが求められます。外断熱の効果は、構造部材を断熱層の内側において低温部分をつくらないことが最も評価されています。
本質問についてですが、木造の内断熱でも環境の条件が揃えば、結露を起こさない場合があります。環境条件とは、立地や施工技能にも大きく左右されますが、最も大きい理由は、ライフスタイルなのです。小さな家で、たくさんの家族が生活しますと、生活発水量(生活することで必然的に出る湿気<4人家族で1日平均約20リッター>)が増加します。内断熱や外断熱に限らず、この生活発水量によっては、過乾燥になる場合があります。特に本州の冬はものすごく乾燥するため、過乾燥の確率が高くなります。過乾燥は、建物に対して露点温度が発生し難く、好条件です。しかし、住む人には静電気が起き、ハウスダストが出来やすく、風邪のウィルス菌を発生させる場合があります。