高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

家の外回りについて

外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど

2022.11.28

浸透管(暗渠)の崖への排水について

質問者/こがめ

傾斜地の土地に平屋を建てましたが、建物北側からの雨水が浸入し、元々埋め立ての粘土質だった水はけの悪い土地はたちまち家の周囲(南北ともに)が水たまりとなってしまいました。(p_NORTH.JPG、p_SOUTH.JPG)。水はけの対策として、仕方なく浸透管を埋めて崖側から排水(p_GAKE.JPG)することにしましたが、長年の排水により崖崩れおよび建物への影響を心配しています。そこで、質問させてください。

<質問1>
浸透管の埋込費用は南北で50万ほどかかるそうです。土地が埋立ての粘土質であることは建築前にも認識があったので、設計士と工務店の配慮不足だと思っていますが、この場合は、追加工事として施主が支払う義務はあるのでしょうか。

<質問2>
山間部の夕立ちは雨脚も強く、雨のときは浸透管からかなりの量の雨水が崖へ放水されます。崖崩れがあった場合、建物へ影響が出た場合の対応責任を工務店と設計士に負わせたいのですが覚え書きなどを要求するのはおかしいでしょうか。(そもそも盛土をするなど、事前に十分な水はけの配慮があれば、崖へ排水することもなかったので、この浸透管の埋込しか対応策がないのは理解しつつも納得がいっていません。)

<質問3>
また、北側には植栽をするための花壇を施工しましたが、水はけが悪いのですぐに根腐れしてしまうと言われました。何も植えられない花壇だけが残されて困っているのですが、この場合に土壌改良などの対応を要求した際も支払いは追加工事として施主が負担するものですか?なんだか腑に落ちないのですが。。。

補足:全長30mくらいの長い平屋なので、建物の半分は崖へ半分は道路へ、雨水を排水するしかないようです。また、浄化槽なので浄化槽に雨水を入れることはできないようです。
傾斜地に建築した家についてのご不安はよく理解できます。
傾斜の敷地には景観や風通しなどのメリットがあります。
一方、坂道や本件のようなデメリットも伴います。
いずれにしても多くの理由があってその土地の付加価値があり、それを善しとして購入した時点では購入者の責任も伴ってきます。

質問1ですが、本来、造成業者は、このような問題を抱えないような対策を行った上で敷地販売を行うべき事項であると思われます。
本NPO法人110番で回答する方々は、私も含め設計士、施工技師の方々が殆んどでしょう。今の時点で、誰もが浸透管の施工費用を負担させる事には、少なからず違和感を覚えると思います。

質問2については、本件が、法的に義務化されている瑕疵担保責任と云う項目に該当しないと思われ、設計士、施工者に念書や覚書類を要求する事にも困難さがあると思われます。

質問3についても、敷地の付加価値の要素が含んでおり、設計者、施工者に対する責任を問う事は難しいと思います。

本件の基本的な問題は、敷地環境に付随していると思われます。
設計者、施工者は、その敷地環境を充分に調査し得なかった道義的な責任はないとはいえません。
しかしながら理詰めでの責任要求を行うには、相当な困難な事であろうと思われます。