工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2022.12.22
アンカーボルトや金物のナットが締まってない
質問者/岡山県岡山市・ISさん(59歳・男)
建売住宅(1階56平米 2階55平米)を購入しました、小屋裏を見に上がってみると、金物のボルトナットが手で回るほど緩かったのと、雲スジカイ(12×75)1本が割れていたので、直ちに住宅会社に小屋裏の全金物のナット増し締め(2回転位廻った)と、同雲スジカイを取り替えてもらいました。
昨年12月末、東側2軒隣の2階建て木造アパートを解体しました、そのとき自宅が凄く揺れるので気になり、小屋裏と1階床下を点検しましたところ、小屋裏のボルトナットは締まっていましたが、床下出入り口2ヵ所のアンカーボルトのナットが、手で回るほど緩いので締まっていないと、そのときは思いました。
今年1月15日今度はスパナ(21ミリ)を持って点検して回ったところ、アンカボルト21ヵ所、約2回転ナットを締め付けました、ホールダウンアンカーも2ヵ所目視できたのですが、ナットは浮いてしまっていて3回転締め付けました、直ちに住宅販売会社に連絡し、19日、今度は大工さんがアンカーボルト増し締めさらに3ヵ所(大工さんも「手で回るな」といっていました)、基礎パッキンが遊んでいる所6ヵ所、同パッキン間隔が広い所(1メートル50センチ)2ヵ所、パッキン挿入等の手直し、小屋裏スジカイの釘打ち不良箇所の打ち直しをされました。しかし、以上の状態は目視できる所のみで、大引きや根太が邪魔で目視できない所や、1階天井は壁があり全く目視できません。これら金物のナットが締まってないということは、耐震強度に大変な影響があるのではないでしょうか。アドバイスのほどよろしくお願いいたします。
構造用木材は人口乾燥木材で含水量が15%程度ですが、通常10%程度まで乾燥いたします。当然、乾燥する際に乾燥収縮いたします。現在は、木材の収縮に合わせて自動的に締め付けされるボールトとナットが使用されるようになりました。それ以前の木造住宅の多くは本件のように、ボールトが手で回るくらいに緩んでいるといえるでしょう。これは決して好ましいことではありません。目視できるところだけでも締め付けを行うべきでしょう。
しかし、構造体は竣工してしまうと、外壁材や内装材などの取り付けによる複合的な効果で剛性が増すようになっております。過去においても、明らかにボールトとナットの緩みによる震災被害は確認されておりませんので、本件においても必要以上に神経質になる必要はないと思われます。なお、小屋裏などの筋交いは乾燥でヒビが生じても強度に影響を与えることはほとんどありません。期間が経って改築工事などを行う際に、隠れている部分のボールトとナットの締め付けを行うと良いでしょう。