契約・法規のトラブル
業者側のミスで発生した補修工事費用など
2011.08.27
断熱材施工のご相談
質問者/千葉県・HTさん(47歳)
お忙しいところ申し訳ございません。住宅クレ-ム110番を読み、私と同じ悩みの人が多いのに驚きました。
昨年建て売り木造住宅を購入いたしました。が、住んでいろいろ問題点(不具合)が見つかり、売主に改善を申し入れしました。回答は、ご容赦くださいばかり。見て購入されたのですからと言います。未だにこんな体質と実感させられました。私、多少クレ-ム処理に経験があり、当たり前の内容は交渉し、いくらか解決の方向で進んでいます。が、補修はまだ実行してもらえません。
さて、断熱材の施工について専門性が必要につき、どのように処理すべきかわかりません。間違えると木材を腐食させ、建物強度を低下させてしまう? 一生に1度の高価な買い物につき、悩んでおります。ご指導、よろしくお願い申し上げます。
・昨年12月 公庫建て売り木造住宅を購入入居しました。
完成品を見て契約
2階建て 高耐久+省エネ仕様、
外壁は、木ずり、 モルタル仕上げ ジョリパット塗り
今年2月、部屋が暖まりが悪いので、点検口より覗いところなかったり、粗雑の施工でした。早速、売主に改善を申し入れると、湿気を逃がすため、地域性、換気のため---とか? 粘り強く交渉し、渋々補修する旨の回答をえましたが、いい加減に施工されてしまうのではと心配です! 私、住公の基準、断熱材施工マニュアルに従い、隙間なくしっかりと敷いてくださいと申し入れてます(外壁を壊してでもと伝えました)。
・断熱材問題個所(外壁の中は、隙間なくきちんと施工?---粗雑と思えると仮定して)
・1階下屋 天井・外壁未施工
・1階ユニットバス部 外壁未施工(一部下屋で天井部未施工
・1階階段下床(床張りなし) 未施工
・カ-ポ-ト上の部屋 床未施工、外壁も一部未施工
・2階張り出し部 床・外壁未施工
・2階押し入れ、トイレ 天井未施工
・1階土台 間仕切り壁 通気塞ぎ未施工
・2階天井 間仕切り壁 通気塞ぎ未施工
これらの箇所をきちんと補修させて良いものか? やらないほうが良いか、教えていただきたい。
および、ユニットバス廻りの外壁未施工に関して、発泡材充填方法は、好ましいでしょうか?(売主提案)1階下屋の軒裏に換気口がありません。ユニットバスもあり 設ける方向で進めたほうが良いでしょうか?
大変長く、読みにくい文章で申し訳ございません。参考書籍もなくまた、モルタル仕上げの記事が見受けず困っておりました。
建売り住宅のこのような不具合を、どこまで売主の責任で補修させることが可能かどうかを、この文書だけ判断することはできません。購入までの様々な経緯、価格にともなう約定などが存在するからです。
技術的な見地から回答いたします。
部位の断熱状況を詳細に記述していますが、住宅の断熱施工の基本は、外部に接す部分(屋根、壁、床)に断点なく充填するということです。本件のように下屋部分や下がり壁部分、バスユニット部分などの部位に関係なく、外部に面する部位には断点なく敷きこむことです。断点がありますと、その部分が低温になり、低温部分が結露に至らなくとも、含水量が増加して腐食菌が発生する場合があります。
小屋裏は限りなく外と同じ環境にすることが前提です。つまり、天井材のすぐ上に断熱材を断点なく敷き込み、その上は外部と考えるのです。断熱材の上を外部とするには、小屋裏に外部の空気が大量に出入りさせる構造にしなければなりません。断熱材を敷き込んでも小屋裏換気が不十分ですと、小屋裏結露を発生する場合があります。
外壁部分の断熱材は、その外側に通気層ができているはずです。高耐久仕様なら必ず設置されているはずですが、その内側の断熱材に断点を作ってはいけません。バスユニットの裏側に発泡充填の断熱材を断点なく充填させるには、バスユニットを一旦どかすか、外壁を撤去するしか方法がありません。発泡充填といっても手の届くところから充填させて、断点なく充填できるような簡単なものではありません。
床下も階段下や和室の畳下の断熱材が割愛される場合がありますが、基礎外断熱の仕様以外は全て、断点なく敷き込まなければなりません。
本件の未施工部分を全部、完全仕様に補修するためには、天井や壁、床の撤収作業がともなうと思います。大きな工事になるのではあれば、既存の壁をそのままにして、その上から外断熱を行い、さらに新しい外壁を敷設する施工法があります。
建売り住宅にはこうした構造体の中に隠れる部分を、未成熟のまま販売しているものが多く存在します。購入の際、契約以前に十分チェックすべきでしょう。