高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2014.07.30

床・出窓で悩んでいます。

質問者/静岡県静岡市・Yさん(主 婦・34歳・女)

 築約16年の木造2階建てに住んでいます。先日、1階のリビングを掃除していたところ、窓に向かって窓から1mぐらいのところを境に床が斜めになっていることに気付きました。きしみとかはありません。スリッパを履いて床の上で足を滑らせても明らかにわかるほどです。壁と床も0.5mm以内ですが隙間ができていました。ビー玉を置いてみると、いい感じの勢いで斜めの方角に転がっていきました。他の場所にもゴルフボールを置いたら、同じ方角に斜めに転がっていきました。リビング全体ではなく、転がる所と転がらない所があります。
 1階はリビングと和室があり、襖で部屋を区切るようになっていて、普段は部屋は区切っていませんが、エアコンをつける時などにリビングが早く温まるように襖で区切るのですが、襖の片側(窓に近いほう)の開け閉めがスムーズにいかず、苦労しています。1階の窓や出窓などの開閉は特に気になる点はありません。鍵もちゃんとかかります。リビングの窓を開けるとすぐ、高さ3~4m・幅5mぐらいの溝川があるので、そのせいで家が傾いているのではないかと心配しています。
 あと、2階に3部屋あるのですが、自分の部屋の出窓だけだと思いますが、鍵がちゃんとかかりません。2つ出窓があるのですが、両方ともちゃんと閉めようとすると、窓自体が上方向に少し浮いて、ちゃんとではありませんが、なんとか鍵が締まります。何年か前からこの状態で、サッシを掃除したり窓を交互に交換してみてもダメでした。原因がわかりません。隣の部屋のベランダに出る窓とかはちゃんと鍵が締まります。自分の部屋の出窓だけ格子が入っている窓なので、それが関係しているのでしょうか?
 また、2階の部屋のほとんどで床の板の継ぎ目あたりなどが浮いている感じの症状が見られます。築16年の木造だとこのような症状は当たり前なのでしょうか? 2階の部屋ですが、配置換えをしている際に床と壁の隙間(0.5mm以内ですが)も発見しました。
 家を建ててから大雨で床下浸水が1回ありました。その大雨の後に外壁の下のほうのコンクリートみたいな部分に、ヒビ割れ・剥がれがあったので直したのと、外壁を1回綺麗にした以外は何もしていません。この家の建てつけが悪いのか、築16年では当たり前の症状なのかが気になります。アドバイスをお願いします。
 地盤の変化や地耐力不足から家が傾く現象を、不同沈下現象などと言います。この不同沈下現象が発生した場合、この沈下現象をくい止めてから、不具合の個所を補修する段取りとなります。地盤を摩擦杭やセメントミルク注入などで固めてから、建付け調整などを行います。
 本件は文書だけなので、断定的な判断はできませんが、不同沈下現象はないように思います。不同沈下の場合は、家全体がどちらか片方に傾くことが特徴です。ゴルフボールの転がる場所と転がらない場所が家屋内にあるということは、不同沈下の可能性は薄くなります。
 本件は、あくまでも文書から判断してですが、構造木材の収縮変形によるものと推察されます。梁や桁などの木材は、乾燥して収縮し、家屋内にさまざまな歪みを生じさせる場合があります。特に大梁に収縮歪みが出ると、本件のようなさまざまな事象が現れます。このような構造部材の歪みが要因の場合は、問題の発生している箇所ごとに対策を講ずることになります。
 ただし、念のため、まずは建築業者さんに依頼してレベル測定(建築業者のほとんどは用意している)で、建物の四隅の高さを測り、家の傾きが本当に在るか否かを調査すべきです。